赤司君と結婚
高校3年間は遠距離恋愛だったけど長期休みなんかはお互いあったりして関係を続けてきた。大学は東京の大学に通って、キセキの世代と呼ばれた彼らもおんなじ大学で、楽しかった。
征ちゃんと付き合い始めて8年、私たちは結婚します。
「結婚かぁ、なんか実感わかないかも」
「そんなこと言ってたら赤司っちが悲しむっスよ」
「うん、そうなんだけどね」
思わず苦笑してしまった。
私は今度の結婚式に備えて黄瀬君の知り合いのデザイナーさんのところに来ている。(黄瀬君とは大学時代から仲良しだったりする)
ウエディングドレスのデザインを考えてくれたみたいで、それを見に来たのだ。結構有名なデザイナーらしくて、そんな彼にデザインしてもらえるなんて羨ましいと友達には言われた。
話を戻そう。征ちゃんの18歳の誕生日にプロポーズされて、大学生活は婚約者として大学に通っていた。
大学を卒業した今、ついに結婚ということになったのだが一緒に居た期間が長すぎて実感がわかないのだ。
「実感わかないかもしんないスけど、でも結婚したらしたで結構かわるもんスよ」
「そっか、黄瀬君は結婚してるもんね。そんなもんかー」
「そんなもんスよ」
だからちゃんと幸せにしてもらうんスよ、なんて言いながら私の頭を黄瀬君が撫でる。その手が優しくて、思わず目を細めた。
「・・・待たせたね」
「「!?」」
思わず二人して固まった。仕事で遅れて来た赤司君は普段は浮かべないようなニコニコした笑顔を浮かべて私たちを見ている。
はっきり言おう、怖い。
「赤司っち、予定よりはやかったっスね」
「まぁね。それよりも涼太、これはどういった状況かな?」
「あーっと、スンマセン。・・・それにしても遅いっスね。俺ちょっと様子見てくるっス」
黄瀬君は衣装のラフを取りにいってなかなか戻らないデザイナーさんのところへ様子を見ると言って逃げた。(このやろう)
征ちゃんはすぐさま私の横を陣取り、頭を撫でてきた。
「征ちゃん、」
「どうせ名前が実感わかないとか言ったのが頭撫でられてた原因なんだろ?」
「・・・よくわかったね」
「名前のことだからね」
・・・流れに任せて自然に言ってくるから照れる。
征ちゃんは照れた私に気付いたのかそのまま顔を近づけてふれるだけの口付をしてくる。そのあとの顔はしてやったりといった顔で、さらに恥ずかしくなった。
「幸せにする、なんて言わないよ。一緒に幸せになろう」
「・・・はい」
私たち、幸せになります!
(なんか入りにくい空気っスねー)(まぁ幸せそうだからいっか)
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