赤司君と子供の時の話
「征ちゃん!大きくなったらけっこんしてね!」
「うん、約束だからね。名前は僕のものだから」
そう言ったらこの幼馴染はすごくきれいな笑顔を見せた。
僕と名前は小さい時から仲がいい。所謂幼馴染という関係だ。
僕にとって名前は他の誰よりも大切な女の子。出会った時からずっと守りたいと思っていた。
「名前、僕が18さいになったらけっこんするんだから、それまでここ、あけておいてね」
そう言って僕は名前の手をとり、お母さんにきいた『けっこんゆびわ』をはめるゆびというのをなでた。
それに対して名前はきょとんとしながら僕の手をにぎってきた。
「じゃあ征ちゃんのここは名前のためにあけておいてね!」
そんなことをいい笑顔で言うもんだから今度は僕がきょとんとする番だった。
でもやっぱりかわいいって思うのは名前が僕にとって大切で、ずっと守りたいだいすきな女の子だからなのかな。
「わかった。約束するよ」
「えへへ、ありがとう!」
そういって笑った名前があまりにもかわいくて、おもわず名前のほっぺに手をそえた。
そしてそのまま・・・顔を近づける。
「えっと・・・征ちゃん・・・?」
声をかけられてはっとする。・・・僕はいったい何をしようとしてたんだ?
いそいで手をはなす。
「・・・ごめん」
「ううん、だいじょうぶだよ!」
やっぱり名前、かわいい。だれにもわたさない、僕の名前
(征ちゃーん!ご飯できたよー!!)(今行く)(・・・何かいいことあったの?)(ん、ちょっと昔を思い出してただけだ)
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