俺の気持ち


「紫原、今日は早かったんだね」

「うん、まぁね。名前ちんが昼休みになったって教えてくれたから」

そう言ったら赤ちんにため息つかれた。俺はどうしてかわからなくて首をかしげる。

「おい紫原、あんまり苗字さんを頼りすぎるな。自分でなんとかできなくちゃ高校行って困るぞ」

「あー、でも名前ちんもたぶんおんなじ高校行くし」

だから大丈夫、そう思いながら持ってきたお菓子に手を伸ばす。赤ちんは俺をじっと見たかと思うと少し声のトーンをさげて俺の名前を呼んだ。
それに対して赤ちんを見るだけで反応した俺。赤ちんは少し言いにくそうに口を数回開いて閉じてを繰り返し、声を発する。

「紫原は、苗字さんのことが好きなのか?」

そう言われて俺はきょとんとした(と思う。実際とかしらねーし)

「ううん、違うよー」

「そうなんですか?僕はてっきりそうかと思ってました」

「っ!?・・・黒ちーん、びっくりさせないでよ」

突然後ろから声をかけられてびっくりした。黒ちんは「すみません」とあんまり感情のない声で謝ってきた。ちょっとむかついた。
でも今はそんなことよりも名前ちんのこと。勘違いされちゃ困るもんね。

「名前ちんのことは大切な幼馴染だよ。それに俺背の高い子が好きだし」

名前ちん、ちっこいもんね、とは言わないでおく。(だって本人気にしてたし)


「・・・それ、苗字さんが知ったらどう思うでしょうね」

「・・・ん?黒ちんなんか言った?」

「いいえ、なんでもないです」

黒ちんが何を言ったか聞こえなくて聞き返しても答えてくれなくて、俺は興味をなくした。





(ねー赤ちん、話ってなぁに?)(あぁ、まだ集まってない奴がいるからもう少し待ってくれ)(わかったー)


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