幼馴染と私
人気モデルでバスケもできて、女の子にすっごくモテる。そんな彼、黄瀬涼太は私の幼馴染です。
家が隣で親も仲が良くて、私と涼太君は自然と仲よくなった。
幼稚園、小学校とずっと仲よくしてきたけど小学校高学年になるころには涼太君は周りにすごくモテ始めた。
小学生の時は周りの人も私たちが幼馴染って知ってたからいろいろ言われることも少なかった。けど中学に上がる時に私がいじめを受けるのを避けるためにお互い執拗に馴れ合うのはやめようと涼太君に言われた。
そのまま涼太君とはあんまり関わることなく中学生活を終え、私は今涼太君と同じ海常高校に通っている。
「名前ー!私部活行くけどあんたどうする?」
「アズちゃん・・・。じゃあ私は帰ろうかな。部活、頑張ってね!」
「まぁ私マネージャーだから頑張るのは他の奴だけどね!ありがと!!気を付けて帰りなよ!」
「うん!」
アズちゃんは男子バスケ部のマネージャーをしている友達で、私と涼太君の関係を知ってる数少ない子だ。だからたまに涼太君が何してたとか、こう言ってた、だとか教えてくれる。
アズちゃんを見送ってから私も教室を出た。
外を歩くと体育館から運動部の声が聞こえる。涼太君も頑張ってるんだろうな、なんて思いながら歩いて帰る。
私の実家は東京だから神奈川でマンションを借りてる。何か困ったときのためにって実は涼太君と家が近かったりするんだけど今のところあんまり関わりはない。
「(今日の晩御飯何にしようかな・・・)」
「・・・あ」
「ん?・・・あ、黄瀬君・・・」
声が聞こえて顔を上げるとそこにいたのは涼太君だった。これから部活に行くのかまだ制服姿だった。
「これから部活?がんばってね!」
「あ、はいっス。苗字さんも気を付けて帰ってくださいっスね」
「うん!」
どこかぎこちない会話を交わして私たちは別れた。涼太君と話すのはずいぶんと久しぶりな気がする。
(それでもまだ話せるだけでもましなのかな・・・)(なんて、本当はちょっとさみしい)
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友達(オリキャラ)のフルネームは幸崎 梓美(こうざき あずみ)です
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