赤司君と幼馴染
「赤司君・・・」
好きです。誰よりも、何よりも、貴方が。
赤司君と言い合いになってからすでに数週間経った。
あれから赤司君と話すことがなくなり、私は友達と、赤司君は部活のメンバーといることが多くなった。
それと同時にいままで私が赤司君にくっついていたせいで近寄れなかった女の子たちが赤司君にアピールを始めたと聞いた。
それを聞いて寂しく思ってももう何も言えない。だって「もう知らない」って言って距離を置いたのは私からなんだから。
でも、それでも寂しくて、ここの所ずっと元気がない。(友達談)
ずっと悩んで、それで今は放課後だ。授業とか頭に入ってないのは言うまでもない。
「あかしくん・・・。せいちゃ・・・・」
赤司君の机に座って涙を流す。ほかの人に見られたらすごく痛い奴だけど我慢なんてできなかった。もう何時間も泣いてる気がする。
・・・気がするだけじゃなくて実際に何時間も泣いていたみたいだ。外を見たらすでにあたりは薄暗くなっていた。
「(帰ろう・・・)」
「・・・名前?お前・・・」
「っ、あ、赤司君!?あの、・・・私っ・・・、ごめん!!!」
「名前!」
赤司君の席に座ってるところを見られた。しかも本人に。
私はどうしたらいいのかわからなくなって勢いよく立ち上がりそのまま教室から逃げ出した。
後ろから足音が聞こえる。赤司君が私を追いかけてるんだ。もしも捕まったら何を言われるか・・・。それが不安で全速力で逃げた。
教室を出て階段を駆け下り、そのまま裏庭を抜けようとした。(もちろん上履きで外に出るのはどうかと思ったから途中で脱ぎ捨てた)
そう、『した』んだ。
「馬鹿かっ!お前なんで!!そんな恰好で外出るつもりだったのか!?」
裏庭に出ようとした直前に赤司君に腕をつかまれて引き寄せられた。
すぐ近くから赤司君の焦ったような声が聞こえる。いままでなかった近い距離に赤司君がいる。その事実に心臓が破裂しそうだった。
「あ、の・・・赤司君。そろそろ放して・・・」
赤司君との近すぎる距離に耐えられなくなってそう言った。そしたら赤司君は私の背中に腕を回してそのまま強い力で抱きしめる。
「あ、赤司くっ・・・放して」
「今放したらまた逃げるだろう」
「にげ、ない・・・よ」
逃げないって言ったのに、赤司君は腕の力を強める。
「あのっ「名前・・・」なに?」
「なんで・・・僕の席で泣いてたの?」
「っ、それは・・・」
「・・・ごめん、言いたくないなら言わなくてもいいんだ。でも一人で泣くな、名前・・・」
「赤司君・・・」
すごく長い時間抱きしめられている気がした。
赤司君がまるですがるように私を抱きしめている。その事実が私は嬉しくて仕方がなかった。
「赤司君、あのね「好きだ」え?」
「名前が好きなんだ。だから・・・。だから無理やり洛山に来いとも言った。幼馴染って関係を続けたくて、だから無理やり夕飯を作らせた。ごめん」
今言われたことが本当だったら、すごくうれしい。ううん、こんな状況で彼が冗談を言うはずない、だから全部本心なんだって伝わってくる。
「赤司君・・・征ちゃん!私ね、ずっと征ちゃんのこと好きだったんだよ!」
「え・・・?」
「だから距離を置いてすごくさみしかった、辛かった!本当は洛山に行きたい、でも京都は遠いから・・・。誘ってくれた時は本当にうれしかった!ありがとう!!征ちゃん、大好きだよ!」
本当に驚いているようで、征ちゃんは目を見開いてる。(すっごく貴重!!)
「名前」
「うん」
「ありがとう、これからもよろしく」
「もちろんだよ!」
赤司君と幼馴染
征ちゃん、私すごく幸せだよ!!
(そういえば征ちゃん)(ん?)
(なんで小学生のとき「名前で呼ぶな」って言ってきたの?結構傷ついたんだけど)
(あー・・・。秘密だ)(えー!何それ!!ひどい!!)
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