幼馴染と名前呼び
「赤司君、ごはんできたよー!」
「あぁ」
日曜日、今日は珍しく赤司君の部活が早く終わって我が家でご飯を食べることになった。
ご飯の用意が終わって二人で席につく、そこからいつも通り少しだけ他愛もない会話をしながら食事かと思ったけど今日はちょっと違った。
「・・・名前」
「ん、何?」
「なんでお前は僕のこと名前で呼ばないんだ?前は呼んでたよな」
「・・・え」
赤司君、なにも覚えてないの・・・?私は何も言葉が出てこなかった。
だって私が「赤司君」って呼び始めたのは全部赤司君が名前で呼ばれたくないって言ったからで・・・。
なんで赤司君がそんなこと言うの・・・。
「・・・名前?」
赤司君が私の名前を呼んだ。なにか反応しなくちゃ、じゃないと変に思われる・・・何か・・・。
「あ、えっと、名前?なんかもう赤司君って呼ぶのに慣れちゃってさぁ」
「・・・じゃあなんで突然呼び方変えたんだ?」
「あは、なんでだろ。もう覚えてないよー。昔のことだもん!」
うまく誤魔化せてるかな。私、うまく笑えてるかな。それだけが不安だった。
「じゃあ今から名前で呼べ」
「ちょ、そんな急に言われても!もう赤司君って言うの慣れちゃったからいまさら変えれないよ!」
「僕に逆らうの?名前のくせに」
「そんなこと言ったって・・・」
まだ赤司君って呼んじゃうかもだけど、気を付けるね。そう言ったら赤司君は納得してくれたみたいだ。
私のほうをチラリと一目見てから食事を再開した。
(もちろん呼び方を変えるつもりなんてない)(あんな想いはもうごめんだもん)
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