帰る場所
最近、ひめっちが冷たい


もっと一緒に居たいってオレが同棲をねだった時も、高校を卒業したら結婚しようとプロポーズしたときも微妙そうな顔をして


最初は渋ってた彼女をなんとか頷かせて同棲してくれるまで持ち込んだけど、プロポーズと共に渡した指輪は置き去りで


もう深夜の2時なのに帰ってくる気配すらない


「明日から、合宿なのにな」


バスケの合宿で1週間は会えなくなってしまう


オレがいなくても寂しくはないのだろうか


「……うるせー」


静寂の中、外からバイクの騒音が聞こえてきた


きっとひめっちが帰ってきた


玄関まで向かえに行きオレの姿に驚いた彼女を抱きしめる


柔らかい体には、男モノの香水の香り


ああ、もう何も言えない


「涼太まだ起きてたの?」


「…うん。ねえ寂しいよ」


「どうして?」


「……分かってるくせに」


「言わないとわかんないよ」



「…ずるいっス」



思わず涙が出てきた。やばいと思ったときにはもう遅く、彼女の顔を見るとうんざりした表情でオレを見ていた


「ごめんっス!泣くつもりじゃ……」


「んーん。たまにはいいかもね。そういうのも」


「え?」


「行こう、ベッド」


ひめっちはオレの腕を引っ張りながらダブルベットへ導いた


「涼太…」


この瞳だ


上目遣いで俺を誘うこの瞳に弱いことを知っていてまた今日も使うんだね


「本当ずるい…いつもそうやって誤魔化すんスから」


「ふふ。でも涼太も嫌いじゃないよね?だってもう」


「ぅあっ…」


「こんなに、大きくなってるもんね?」


「っ…そんな、触っちゃ」


「ねえ涼太、しよ?」


「…後悔しても、知らないスからね」


笑う彼女の手を引っぱり自分の下にやる。確かめると彼女のそこは既に濡れていた


「もういれて」


「…嫌っスよ。今日は意地悪してあげるっス」


「意地悪?」


きょとんとする彼女の服をたくしあげ、先端に近い部分を虐める


消して先端には触れず、その周りだけ触れたり噛んだり


もどかしい感覚にたえていた彼女は身体を痙攣したようにうねらせ達した



「あっ…りょ、涼太ぁ」


もう、お願いと懇願するその瞳から溢れる涙を舐めてみたら少ししょっぱい


「仕方ないスね」


頑張った彼女へご褒美といわんばかりに腰を下ろしていく


他の男のものよりデカいのか、いつしたってひめっちは快感と痛みが交わったような顔をする。あんなに慣らしたのにな


いつもなら優しく声をかけるけど今日はいいかな


だって、いつもより寂しかったんだ


「くっ…あ、すげぇ…」


何度交わっても俺を締め付けるそこは、決して緩まない


初めての頃と変わらないその感覚に酔いしれながら彼女に唇を落とす


「ん、涼太、もっと…」


腰を押し付ける彼女の中に自らの欲望を放った


「ふふ…涼太、愛してる」




ひめっちは男遊びも激しいし一人の男に熱中し続けるなんてしない


毎日出かけて1度だけの関係ばかり作って


それでも、最後には俺の所に帰ってきてくれる



ねえ、それって愛でしょ?



「俺も愛してるっスよ」




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