「ひめっちは本当可愛いっスねー。髪もさらさらで気持ち良いっス!」
「黄瀬君、彼女から今すぐ離れてください。姫さんに触れていいのは僕だけです」
どうしてこんな状況に……
理由を探したって見つかるわけもなく、私は二人に身を任せる
けど、
「黒子っちの物じゃないっしょ。あー、ひめっちの肌はどこも綺麗っスねー」
「ちょっ、黄瀬くんどこ触って……」
うっとりとした表情でブラウスのボタンを外そうとする彼の手を慌てて止める
「ですがひめさんに君が触れていると思うと正直不快です。あ、スカートにゴミが……」
「黒子くん、自分でとるからどこにあるか教えて」
私が通っている帝光中バスケ部スタメンの彼らはかっこいいと評判である
それは認める。確かにかっこいい。しかし、私に対するこの二人の行動はとても…なんだろう……。変態のようだ
「あー!黒子っち抜け駆けはずるいっス」
「抜け駆けなんてしてません。それより君は」
「きゃあっ」
また言い争いを初めようとしたので、二人から離れて歩き出したら、上から水が降ってきた
「え…」
それを見た黄瀬くんと黒子くんが慌てて駆け寄ってきて、水洗いをしていた緑間くんに詰め寄る
「なにしてんスか!ひめっちがずぶ濡れっスよ!?」
「緑間くん…君に女性を悲惨な目にあわせて喜ぶ趣味があるなんて思いませんでした」
「誤解なのだよ!?水がいきなり噴き出したのだよ。佐藤、すまない大丈夫か?」
心配して私に近づこうとした緑間くんにお礼を言おうとすると、二人は私の前に立ち塞がる
「僕達が保健室に連れていくので大丈夫です。」
「このことは赤司っちに言うから安心してほしいっス!」
青ざめた緑間くんに内心同情しながら、笑顔な黄瀬くんと私の制服をぐいくい引っ張る黒子くんに保健室に連れていかれた
保健室へ着いた早々にベットへ押し込まれた
「君は目を離すとすぐ面倒事に巻き込まれるんですから、僕の傍を離れないでください」
「だーかーら、黒子っちてば抜け駆け禁止っス!ひめっちも……」
黒子くんと黄瀬くんがこちらを見ていきなり真っ赤になり目を逸らした
え、何?
「姫さん……」
「ひめっち……」
黄瀬くんが私に自分のブレザーを頭から被せ、黒子くんがタオルで髪の毛を拭いてくれた
「もしかして……透けてた?」
二人は真っ赤な顔のまま頷く
「あっ、えっその」
「姫さん。僕たちの理性を試しているんですか?」
「いい加減我慢の限界っスよ?」
二人は真剣な顔をして詰め寄ってくる
「あ……」
「……やっだなー、冗談に決まってるじゃないスかー。」
「そうですよ。安心してください」
私が不安そうな顔をしたからか、笑顔を作り今度は二人がかりで髪を拭いてくれる
実は、これだけセクハラ紛いのことをしておきながら、二人から好きとは一言も言われたことはない
だから、もう少しだけ……
この関係に甘えてもいいよね?
「黒子っちより俺の方が沢山拭いたっスよ!」
「黄瀬くんより僕の方が優しく拭きましたよ」
(二人ともありがとう)
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