素直じゃない君
※赤司微キャラ崩壊






昼休みに購買へパンと飲み物を買いに行ったら赤司に呼び止められた



「おい姫」



「ん?」


適当な返事をすると、赤司はあからさまにムッとした顔になった


「なんだその返事は。この僕に話し掛けられてそんな態度をとるなんて頭が高いぞ」


「ごめんごめん。で、何か用ですか赤司様?」



「……まあいい。お前もう弁当は食べたか?まだだよな。仕方ないから僕が一緒に食べてやろう。嬉しいだろう?さあ、言え赤司様と食べたいですと。素直に言えたら食べてやる」


こんな返事でいいんだ、と思ったのもつかの間。何を言ってるんだこのお坊ちゃまは。断ってやろうか


しかし私はそこまで冷たい人間ではない。待たせている友達には申し訳ないが、赤司とはそれなりに友情を築いてきたつもりだし、不器用なだけでいいとこは沢山あるのも知っている。寂しがりやなのも。よし、仕方ない一緒に食べてやろう


「私と―――」

「ストーップ!ちょっと待ってほしいっス!」


「……です」
言いかけたその瞬間、視界にきらきらしたモデルの胸元と影が薄い黒子くんの顔が飛び込んできた


「黒子くんと確か黄瀬君こんにちは。どうしたの?」



「話聞いてたんスけど俺も一緒に食べたいっス!」

「……僕はただの通りすがりなんですが」


「いやー赤司っちも隅に置けないっスね!ひめっちと友達だったなんて!」


「ひめっち?」


「青峰っちがあのおっぱ(自主規制)はやれ(自主規制)とか言ってたしもう有名なんスから!」


私は呼び方のことを聞いたんだけど……
てか全く嬉しくない


私と赤司と黒子くんの空気に気付いているのかいないのか黄瀬くんは話し続ける



「俺らもお近づきになりたいんスよー。ねぇ、いいでしょ?赤司っち……」


「涼太」




赤司が発したその声は、
私たちを恐怖へ容易く導いた


「涼太、姫は僕の彼女だ。手を出さないでもらおうか」


………はい?



「え、わ彼女だったんスか!?すませんっス!」



黄瀬くんはいつの間にか消えていた黒子くんと共にどこかへ走り去っていった



赤司は一見涼しい顔をして立っているように見えるが膝が震えている


「私って彼女だったの?」


明らかに肩が揺れた
動揺しているらしい


「……そ、そうだ」


そうなんだ



「じゃあ私を迎えに来たのも彼女だから?」



「あ、当たり前だろう」



「ふーん、そう」


正直赤司のことは友達程度にしか思っていなかったが、こうして見るとなかなかタイプだ



私は赤司を引き寄せ彼の首筋に顔を埋める



「な、姫……?」



「赤司っていい匂いする」


「そうか?お前こそ……」


「やめてバカップルみたい」


「ふっ、確かにな。…姫、すまないきちんと言う。僕は姫が好きだ。お前が僕を恋愛対象として好きではないことは知ってるが、必ず好きにさせてみせる。付き合ってくれ」



「返事なんか、わかってるくせに。いいよ」



購買でやりとりしていた私たちは校内公認の恋人になったのはまた別の話


戻る
TOP

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -