ベタ惚れなのは
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黄瀬と姫さんはモデル仲間

付き合ってはいるけど姫さんが男たらし?









夏場の海での撮影のこと


「ねぇ姫っち」



「何?」


「ここ、もうちょっとくっついた方が見栄えよくなるっスよ」


「あ、本当だ」


そういいながら俺の首に手をまわす


「涼太、今日もかっこいいね」


「…嬉しいスけど今はカメラに視線を送るべきじゃないスか?」


ごめんごめんと笑いながら彼女は視線をカメラに戻す


そんな彼女が、愛しくて仕方がない


自他共に認める美人だし、あどけない可愛いらしさも残ったこの少女が何よりも好きだ。大切にしたい

ずっと一緒にいたい


でも、そう思ってるのは俺だけかもしれない


「あ!あの人かっこいい!」


ほら、あんたはまたすぐそうやって他の男に行ってしまう……



そう思いながら、姫が走り去った方を見ると……


「え……あ、青峰っち!?」

「おお、お疲れ黄瀬。んだこの女。モデルか?」



そこには何かを捕まえるための網やらカゴを持った身長190cm越えの男と、それに引っ付く姫っちが居た



うわあ 正直
関わりたくねぇー……



「その子は姫っちでモデル仲間。撮影だったんスよ。てか何してるんスか?」


「あぁ?決まってんだろ。ちょっくらザリガニ捕まえにな」


ドヤァアアアアア



という文字が頭に見えたほど素晴らしいドヤ顔をいただいてしまった



「見つかるといいスね。ほら姫っち行くっスよ……」


手を差し出したそのとき





「あ?女なら、あっち向かっていったぜ」



青峰っちが指差す方角を見れば!


困り顔の火神っちにボディータッチしまくる姫っちか!!





「ああああああ姫っちいいいい」


「お前も大変だな。まぁ頑張れよ」



「他人事だと思って……今行くっス!」





火神っちが姫っちに襲われる前に!!


「可愛いー高校生?」


べたべた


「あ、あぁ……その離れ」


「良い体してるねー」



べたべた



「あ、ありがとう?つか離れ」


「耳まで真っ赤!ねぇ私あなた気に入っちゃった。メアド交換しよう」


「ちょ、ちょっとたんまっス!」


「黄瀬!」


救世主が来たとでも思ってそうな火神っちは笑顔で俺を指差す


「ほら、あいつの方が良い男だぜ!」


火神っちぃいいいいいい!?


はっ、正直火神っちはどうでも今大事なのは!


「姫っち!浮気もいい加減にしないと俺だって泣いちゃうっスよ!?」


いいんスか!?と姫っちに詰め寄るが、本人はどこ吹く風だ


「浮気じゃないもんばか」


「浮気っスよ!じゃあ俺が他の女に可愛いねとか言ってメールのやり取りとかしてもいいんスか!?」

一気にまくし立てると、姫っちは涙目になる


「……やだ」


上目遣いで言われたらそれ以上怒れるはずもなくて



「まあ、これから気をつけてくれればいいっスから…」



「ありがと!涼太大好き!あっそこのでっかい君!ちゃんとメール返信してよ?待ってるから!」


一体いつの間に姫っちは火神っちのアドレスを入手したのだろうか

言うが早いか、彼女は砂浜を走って逃げていく


「か、火神っちぃいい」



「……まぁ、そのなんだ。あんま返さねーようにすっから」



「そういって皆俺より姫っちとメールしてるんスよー!」



峰っちを除くキセキ世代や他の奴らも、最初は俺に遠慮して返すのを躊躇うが、この前ちらっと見えた姫っちのメール受信画面には、俺じゃなく他の男の名前で埋め尽くされていた










―――
(名前 火神くん


黄瀬なら俺より黒子や青峰の方が知ってると思うが……

まああいつは努力家だ
それから
     :
     :
           )

全て読み終わり、私は携帯を閉じる



また一人、私の知らない涼太を知ってる人に会えちゃった


涼太は気付いてないでしょう


私の方があなたを好きなことに

いつだって、涼太に釣り合うため精一杯背伸びしてるなんて


まだ、秘密


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