それでも君は悪魔を愛する

※花宮がDVしてる設定


帝光で仲の良かった君が霧崎へ進学し花宮さんと付き合ったことを知ったとき僕の心は酷く痛んだ。その痛みを無視して祝福しようと決めたけど、もう限界だ

「姫さん、もうやめた方が…」

こんな言葉は君を傷つけるだけだと分かっていても止められない。身体的に傷付いた君の血なんて、痛々しい姿を見るなんて僕にはこれ以上堪えられない

彼の元を離れて僕のところまで来てほしい。しかしそんな僕の願いも虚しく花宮さんに依存してる彼女は静かに首を横に降る

「真さんから離れるなんてできないよ」

「しかし、君はとても傷ついてます。その腕の怪我も昨日はなかったじゃないですか」

僕が指摘すると彼女は包帯が巻かれてる腕をぎゅっと押さえつけた。

「……黒子くんは、真さんのこと嫌いなの?」

「………………嫌いです」

君を傷つける彼なんて。君が好きな彼なんて。君に愛されてることを信じることのできない彼なんて…大嫌いだ。

僕が彼を嫌いだと聞き悲しそうに目を伏せる姫さん。君のそんな顔も見たくない

「……僕じゃ、駄目ですか」

絞るように出した声は掠れていた。それでもちゃんと届いていたようで彼女の目が驚きに見開かれる

「え……?」

「僕じゃ花宮さんの代わりになりませんか。君を傷つけないし他の誰にもさせません。姫さんさえ、僕の恋人になってくれるのであれば」

「黒子くん……」

頬がどんどん赤く染まっていく。彼女が何か言おうと口を開いたそのとき

「あ、電話……」

彼女の携帯が振動し特定の人のメロディーが流れた。僕をちらりと確認する彼女に苦笑いしながら頷く。了解をもらった彼女は話に出た

彼女の携帯から聞こえてくるのは嫌いな、嫌いなあの人の声

『姫、今どこにいんだよ?』

「今…公園」

『はあ ……黒子には会うなって言ってんじゃねえか。映画見に行こうぜ』

「本当!?行きたい…!」

『じゃお前の家行くわ』

「わかった…!」

電話を切った彼女は先ほどとは比べになならないくらい機嫌が良くて少し切ない

「あ…黒子くん、そのごめんね…」

そのごめんが何に対しての謝罪か聞けないまま姫さんは駆け出してしまった

彼に会いに行けばまた傷付くのに嬉しそうに彼の胸に飛び込む君は、僕なんて求めていない


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