目が覚めると得体の知れない場所に居た。0と1の螺旋、文字と数字の羅列。一体ここはどこなのだろうか…
突然どこからか青白い光が現れ人の形になり見覚えのある姿へと変わっていく
「エネ…!?」
「目が覚めたんですね、ご主人…!」
耳に響く甲高い声で頭が一気に冴えていく。こいつの声はどうしてこんなに五月蝿いんだ
「お前全然動じてないみたいだけどここがどこだか分かるのか?」
「……知りたいですか?」
「あ、ああ…」
突然真面目な表情になり俺を見つめた。普段の喧しさはどこへやら。こいつは黙ってさえいれば可愛いことを再認識した
「ここはいつも私がいる場所です。ご主人や妹さんをここから見ていたんです」
「ここから……」
空間と空間に境目ができて俺の部屋が現れた。飲みかけのコーラがそのままの状態で置かれている。喉が渇いていたから飲もうと手を伸ばしたが見えない壁に阻まれてしまう
文字と数字しかないこの場所に一人でいる孤独を微塵も感じさせなかったエネ。気づけなかった自分に腹が立つ。…言わないけどな
「じゃあ電脳の中ってことか?どうして……」
「理由なんてどうでもいいじゃないですか。折角なんで楽しみましょうよ」
俺に近付き身体を寄せて項垂れるエネ
「お、前何してんだよ…!?」
下ジャージの中に手を入れて下着を弄る。そして俺のその…息子を探り当て力強く握った
「いでえ!…ちょ…い、痛いって…」
「す、すみません!すみませんご主人!!初めてなもので…や、優しく握りますね…確かご主人の動画の女性たちはこうしてたはず…」
「っ…おい…」
俺がDTというのもあるだろうが小さく柔らかいこいつの手が止まることなく上下左右と動くので快感が駆け巡る。必死で堪えるが身体は正直なものでどんどん体積を増やしていく
「わあ……おっきくなってる…」
「やめろ…って、ん」
あろうことがエネは散々手で弄ったそれを口に咥えようとぺろぺろと舐め始めた。ぬるりとした生暖かい舌の感触がこいつと触れていることを実感させる
「は、ん…ご主人…、気持ちいいですか?」
「聞くなって…!あー…もう無理。悪いエネ」
「ん、んん!?」
もっと強い刺激が欲しくてエネの頭を掴み引き寄せた。喉奥までそれを突き立てる。何度も出し入れして自分の求めるまま腰を動かす
「ひゃっ!!ご、ごほ…」
初めて体験したそれに耐え切れずエネの口内に欲望をぶちまける。苦しそうに咳き込むエネを見て申し訳ないと思いながらも再び大きくなるこれを何とかしたいという気持ちが強くなる
「ん…ご、主人…?」
細い体を組み敷いて自分の欲を少し湿った秘部に押し当てる。湿ったというよりも既にどろどろとしていた
「飲めよ」
未だに俺が放った液を口に含んでいるのを見て言うが、エネは苦いのか躊躇っていた。視線を逸らそうとした顔を掴みじっと見つめると、やがて飲み込んだ。苦いと不満そうに言っているがその顔はとても満足しているように見えるのは気のせいだろうか
「…入れて、いいか」
「はい」
即答され思わず目を見開いた。
「ご主人なら…いいです」
その言葉を聞いて堪らなくなり入れた。さっきは性急すぎたから今度はゆっくりと。
「ん…あっ、くう……」
時折漏れる悲鳴とも嬌声ともとれるその声が俺を一層興奮させた。順調に進んでいくそれはやがて止まる。まだ半分くらいしか入っていない。これは、この壁はもしかして
「お前…初めてだったのか」
「デ、デリカシーがないですご主人!」
頬を染めたエネの額に軽く口付けを落とす。なんだろうこの感情。生意気なこいつがこんなに可愛く見えるなんて末期かもしれない
なるべく痛くないようにゆっくりと最奥へと突き上げていくがエネは痛そうに顔を歪めて汗も掻いていた
「痛いのか?」
「だ、大丈夫です」
「…じゃあ動くぞ」
「はい……!」
痛いはずなのに笑顔を浮かべるそいつを見て高鳴るこの感覚に納得をした。ああ、こんなときに分かるなんてちょっと間抜けかもしれない
「俺さ」
「ん…は、な、何ですかご主人…っ」
「お前のこと好きかもしんねえ」
「え……!?」
返事を言わせないよう腰の動きを早める。
「ず、ずるいです…こんなときに、い、言うなんて!」
「少し、黙れって」
更に腰を早めるとエネはもう喘ぐだけになった。それでも何かを言おうと口を動かす。俺もエネも体力はないからすぐに限界が来た
「…出すぞ」
「え!?あ、ああっ、あああ!」
再び欲望を放つとエネの身体が痙攣したように震える。途端、物凄い眠気が襲い意識が急速になくなっていく
「好き、好きですご主人……」
薄れていくなか最後に見たのは照れるそいつの顔だった
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横たわるご主人に近づいていく。もう終わりだ。この夢みたいな接触ももう終わり
普段触れることの出来ない彼の肌に手を這わせ一時の幸せに身を委ねる。
(好き、なんて言われたら…期待しちゃいますよご主人)
こうしている間にも彼の身体はどんどん透けていく。元の世界へ帰ってしまう。目が覚めたら今までのことはご主人の中で夢としてしか残らない。
そうして明日からまた見るだけの毎日が始まるのだろう
このときの私はまだ知らない
目が覚めたご主人が挙動不審に私に想いを伝えてくれることを