「お前色々知ってるんだな」
「そりゃあ知ってないとおかしいっすよ!少なくともシンタローさんよりは」
「はは、確かに」
先程から仲良さげに話してるシンタローくんとセトを見ていらいらが募っていく。二人が話してて僕が一人っておかしくない!?シンタローくんはどうして僕を放っておくの!
不機嫌な僕をよそにして二人の会話はどんどん弾んでいく
「そう言えばこの前」
「ああごめんねセト?シンタローくんは今から僕と遊ぶ時間なんだ」
「あ、そうだったんすか!…ってもうこんな時間だったんすね。シンタローさんと話すの楽しくてわすれちゃってたっす!じゃあ俺はバイト行ってくるんでまた今度!」
セトが家を飛び出すのを見送った後、シンタローくんが首を傾げながら僕を見ていた
「そんな約束してたか?」
「……僕の部屋行こうか」
不思議そうな顔をするシンタローくんの手をひいて自分の部屋に連れていく。その間何度かどうしたのか、と聞かれたが聞こえてないふり
だって僕は怒っているんだ
「カノ…」
「シンタローくん、楽しかった?」
「は?」
シンタローくんの体を思いっきり飛ばし、壁に押し付け手を彼の頬に添える
「…な、何してんだよ」
「見て分かるでしょ?シンタローくんの体触ってる」
「そうじゃねぇって!だから触るなって言って…あっ」
「ふふ、黙っちゃったね。シンタローくんはこれ大好きだもんね」
太股を好き勝手弄っていると徐々に可愛いらしい声が聞こえてきた
「カ、カノ…!やめろってあいつらも帰ってくる…っ」
他の誰かを考えた彼に深い深い口付けをする。最初は抵抗していたシンタローくんも僕を受け止めるように舌を絡めてきた
「ん…ふ、カノ……」
「シンタローくん……」
訳もわからないだろうにいつの間にか僕の背中にしがみ付いている彼の手が堪らなく愛しい
「セトとの会話は楽しかった?」
「はっ……はあ?」
「ごめんね?楽しかったに決まってるよね。僕を放っておくくらい夢中だったもんね」
ああ言っちゃった。なにも言わないまま色々しちゃおうと思ったのに…こんなの嫉妬丸出しじゃないか。シンタローくんだって呆れてる…
「……それはヤキモチなのか?」
「…さあね。どう思う?」
「…悪い気分じゃねえけど…」
そう呟いた君の顔は真っ赤で、それを見た途端セトに嫉妬した自分がバカらしくなった
「ぷっ…!はは、もう大好きシンタローくん!僕の子ども産んでよ」
「俺男だし」
シンタローくんは抱き付いた僕を冷静に引き剥がし僕のベットへ寝転んだ。そんなシンタローくんを甘える標準で見つめてみる
「……なにしてんだよ、早く来いって…子どもできなくて良いならな」
「ふふ、君なら子どもができてもできなくても構わないさ。さて、今から明日の昼までしよっか!遠慮しなくて良いよっ僕もリタイアなんてしないから!」
「いや体力的に無理が…」
「僕が動くから大丈夫!ほら」
無理とは言いながらもきっとまた僕の我が儘に付き合ってくれるんだろう。そんな不器用な君が大好きだから今夜は止められない
嫉妬深い僕を、受け止めて