意地悪な君の


誰か教えてほしい

「まだ終わんないのー?待ちくたびれたよー」

「そう思うなら自分でやんなよ」

「えー?それじゃあ姫のためになんないじゃない」

「私の分はもう終わってるの!」

なんで私がこいつの宿題をやらされてるの?

「それは君がいいとこにいたからだよ」

「図書館で宿題してただけだよ!つか人の心を読むな」


「冷たいなー。俺と君の仲じゃん」

「何の仲でもないし。クラスメートだし」

そう。私とこいつはクラスメートのはずなのになぜか宿題をやらされている

「……ってこれパシリじゃん!」

「今更気づいたの?」

「もー許さない!あんたの誕生日その顔にパイ投げてやる」

「ごめんごめん。アイス奢るから許してよー。ね?」

「……許してあげなくもない」

許す私も私だけど

身長でかい男が首傾げたって可愛くもなんとないむしろ気持ち悪いはずなのに及川のそれは無駄に優雅で爽やかで綺麗で

断ったら自分が悪いような気になってくる

そしてこれ絶対わざとだ

じゃなかったらこんなに意地悪く笑うわけない

「ふふ、可愛いなあ姫」

「目腐ってんじゃない」

「そうかも。他の男に目にもこんなに可愛いく映ってたら彼氏いるもんね?」

「き、気にしてることを……」


睨んでみせても効果はない。

「やっぱ宿題いいよ」

「え?」

及川はいきなり私の手にあった宿題を取り上げ自分の鞄にしまう


「せっかくだし遊ぼ」

「何して…てちょっと!」

「んー?」

いつの間にか私は及川の膝に座らされてる、いくら性格に難があろうと美少年は美少年。整ってる顔が目の前にあり思わず喉を鳴らす

「意識しちゃった?」

「し、してない!」

「ふーん残念」

「ちょ」

「俺はこんなに意識してるのにね」


そういって私の手を自分の胸に導く

その心臓からは確かに脈が異常に速いのが感じられるがそれが自分か及川のかわからない

つまり私もそれだけこいつを意識してるってことで

「姫みたいな女俺くらいしか好きになんないよ。だからさ、付き合おう」

「…あんたは貶すか告白かどっちかにしてよね」


いきなり近づく及川の顔。ムードも何もあったもんじゃないけど私たちらしい

「ん、…好き。ずっと好きだったんだ知らないでしょ姫」

「……私だって、ずっと好きだったのに」

「…え!?本当に!」

驚いた及川の顔があまりにも可愛かったから


「…うそ」

「ええええ!そんなはずないでしょ?いつからねえいつから!!」


いつも意地悪なきみに仕返ししてみた


「…1年前から」

「なんだ俺は3年前からだよ」

「……なにその勝ち誇った顔」



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