死ネタ
「三成っ」
何者かに討たれ落馬した三成のもとへ駆け寄った
「血が……」
「女主、か…。俺のことなどどうでも良いのだよ。今すぐここを離れ、徳川へ行け。清正も、いるならなんとかなるだろう」
「三成……」
誰が見ても勝敗が明らかなこの戦
泣き言や、遺言を残したくなるのもわかる
それでも幸村や宗茂、私は義で集まった仲間だからこそ、そんな言葉を認める訳にはいかなかった
「馬鹿三成。私の居場所はここしかないよ」
「いや、お前ならばいくらでも」
「私がいたい場所は、ここしかない」
三成はハッとした表情をした
「女主……」
「清正や正則だって、方法が違うだけで目的は一緒なんだよ……。2人だってこの戦に勝っても、三成、あなたがいなかったら意味なくなるの」
「しかし、俺は」
わかってる
出血が止まらない
「俺は、幸せだった」
「え?」
いきなり、何を言い出すのだろうか
三成は息もとぎれとぎれに話しはじめる
「俺は、清正や正則がいなくなっても、女主、お前が俺のもとを去らないでくれた。一緒に生きたいと、望んでくれた。それだけで、俺は…」
「三成……」
「女主、俺はお前を愛している。俺が死んだ後も、たまにで良いから思いだして、くれ」
「みつ、なりぃ……」
三成は息絶えた
「う、あ……やだ、やだよ。三成っ、三成ぃーーーっ」
私はいつまでも、泣きながらあなたの名前を叫び続けた
私の居場所は、あなただったのに
リク作品
TOP