「幸村」
「女主殿、何かご用でしょうか…て、女主殿?」
「何?」
「そ、その近いような気がするのですが」
「近いだろうね」
私が近づくと幸村はその分下がる
そしてついに壁まで追い詰めた
もう下がれなくなった幸村は近づく私を拒否することもできずなんだか慌てている
「幸村…」
「な、なにを……!」
幸村の顔の横…は届かないので肩の横に手をつく
若干足が辛いものの驚いて顔を真っ赤にさせる幸村はなかなか見応えがあった
「女主、殿?これは何かの訓練でしょうか」
「そう。女の子にどれだけ近づかれても堪えられるようになる訓練だよ」
「成る程。流石はあなたでございますね」
あっさりと私の嘘を信じた幸村は私がどれだけ顔を寄せても抵抗しない
…ごめん幸村
目をあけたままの幸村の頬に軽く口づけると、流石に反応した
「女主殿…冗談が過ぎます」
「冗談じゃないよ。私、冗談でこんなことしない」
そう、この行為には私の命がかかっているといっても過言ではない
「では…私からしてもよろしいでしょうか」
「えっそれは…」
ダメ、という暇もなく幸村は性急に私に口づけてきた
「ん…」
唇を割られ口内に幸村の舌が入ってくる
にやりと笑みを浮かべる幸村にしてやられた
きっと私の狙いを最初から分かってたに違いない
「私を襲おうとしたのでしょう?」
「…なんでわかるかな」
「ふふ、あなたは考えていることが顔にでますからね。さあ、夜伽にいたしましょうか」
そのあと私達がどうなったかは言うまでもない