厠での出来事
※診断のお題を参考にしました。微裏です。リンク貼っても良いのでしょうか…




私が厠に行ったら清正がいた



大事なことなので二回言います。私が厠に入ると清正がいた。


「待て!閉めるな!閉めないでくれ!!!」


「何で清正がいんの!?ここ女性用でしょ!!」


「良いから話を聞いてくれ!頼む!おい女主っ!」


迷ってしまったが、清正があまりにも真剣なので大人しく話を聞くことにした。


厠へ入り鍵をする。といっても木で開かないようにするだけなんだけれど


清正に向き直りじっと見つめると、居心地悪そうに視線を逸らされた


「驚かないで聞いてくれ」


「あんたが女性用の厠にいるより驚くことなんてないと思う」


冗談(わりと本気だけど)に乗って来ない清正を見て私も身構えた。


一体何の用なのだろうか


清正は息を大きく吸い込み告げる


「…俺と、別れてくれ」


「………は?」


何を言っているのだろうこの男は


凝視するが清正は冗談を言っている顔ではない。


ああ、そうか


つまり本気なんだ。本気で私と別れたいのか。


「だから、俺と」


「2回も言わなくていいから。…わかった別れよう」


「…それだけか?」


「他に何をいえって言うの」


溢れる涙を拭いながら踵を返し厠から出ていこうとすると手を捕まれた


「…なに」


「女主……」


「いやっ、ちょっと清正!」


清正は私を押し倒し熱の篭った瞳で見てくる


「…女主、愛してる」


「何、言って……」


私に別れを告げた清正が何でこんなことをするのか分からない。



戸惑っている私の頭を抑えつけ、清正が深い口づけをしてきた


息もできないほど吸われ背中を叩くとようやくやめてくれた


「女主……」


「ちょっと、や、だ」


清正の手が着物の合わせ目を開き直接肌に触れる


柔らかさを確かめるように肌をはい回り、その気持ち良さに頭がぼんやりしてきた


ぐちゃぐちゃの頭で何も考えられず、清正に身を委ねていると、嬉しそうに囁いてきた


「女主、結婚してくれ」


「…え?どういうこと」


先程別れようと言ったのは何だったのか


「三成に聞いたんだ。厠で別れを告げてから抱いて、拒否されなかったらその女は運命だってな!」


嬉しそうに目を輝かせながら語る清正に、騙されているとも言えない


心身ともに疲れたけど、こんな清正の馬鹿なところも好きだから問題ない





TOP

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -