気づいて
なぜだ……
なぜこうなるのだよ……
俺には今戦よりも頭を悩ませていることがある
「女主!」
「はい、三成様」
俺が呼ぶとすぐにどこからか現れるこいつは、俺の忍びだ
「何か御用でしょうか」
「……いや、ただお前と話したかっただけなのだよ。畏まる必要はない。」
権力を使ったと思われてしまうだろうか
そんな心配をしていたら
「えっ、何か粗相をしてしまいましたか」
「……」
呆れて言葉も出ない
なかなか伝わらないから素直に自分の気持ちを伝えようとしても、上手くいかない
「どうすればいいのだよ……」
「?」
目の前で首を傾げる彼女は、俺の気持ちにいつ気がついてくれるのか
自分からは、まだ言えない
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