マフラー?

※甘、現パロ


「うー寒っ」


外はもう冬真っ盛りだ
一面中雪が降り積もり、吐き出す息は白い


「コンビニへおでんでも食いに行くか」


高虎が後ろから近づいてきた


「行きたいっ!私コンビニのたまご大好きなんだ。」

二人で並んで歩く

寒くて手をポケットにいれて歩いてるとコンビニが見えてきた


「愛しのたまごー」


「はんぺんは残っているだろうか」


「残ってるんじゃない?だってあんま人気ないし」

自動ドアが開き中へ入るとまっすぐレジに向かう


「あったーたまご!」

目当てのものを見つけ、はしゃいでいると高虎が無言で具を見ていることに気付いた

「……ない」


ボソッと呟きまた探し始める

その目は真剣で、殺気さえ感じるほどだ

(怖い!怖いよ高虎!)


「こんにゃくと、たまごあるだけください」

ガクガク震えていた店員さんは引きつった笑顔で

「は、はいっ」

と言ってたまごとこんにゃくをくれた

金を払い近くの公園へ行ってブランコに並んで座る

私はたまごを沢山食べれて幸せだが、高虎はまずそうにこんにゃくをくっちゃくっちゃと食べている


「高虎汚い。口とじて食べなよ」


「知らん。」


はんぺんがなくて不機嫌なままだ

私はたまごを高虎の口に押し付けた


「ぶ!ぁ熱っ、熱い!」

高虎は私の手を離し、たまごを持ち直してから、はふはふして食べ始める

「はふ、はふ。おい女主、いきなり食い物を押し付けるな。落としたりしたらどうするんだ」


「ごめん猫舌なんて知らなくて」


「まったく……。」


「はんぺんがなくてまだ怒ってるの?」


「いつまでもそんなことで怒るか、馬鹿者」




たまごあげたのになんだその言い草は


「ああ、お前は怒るのか。なにしろたまごを6個も一人で食べようとした馬鹿だからな」


「ち、ちが…それは……」


「何が違う」


「高虎に、1個あげようと思って。普段なら、5個しか買わないんだから!」


「十分な量だ」

うう……
言い返せない


私が唸っていると高虎は立ち上がった

「腹も膨れたしそろそろ帰るか」


「……うん」

その体格で膨れるわけじゃんというツッコミは心の中に留めた


「今日は寒いな」


「うん寒い」


歩いていると高虎がマフラー(本人いわく手ぬぐい)を私に差し出した


「ん?」
「そんなに薄着なんだ、あんたは俺より寒いだろう。せめて首だけでも暖めておけ」


「優しいー。ありがと」


そういいつつ私は高虎からマフラーを受け取らず、自分の鞄から自分のマフラーを出した


「…持っていたのか」


高虎がマフラーを自分に戻そうとした

「もう。待って」


その手を掴み、私は私のマフラーを高虎にかけようとする

が、身長差があるため届かない


「やっぱ身長高いね。少し屈んでくれる?」


「あ、ああ……」

私の言うとおり屈んでくれた高虎にマフラーをかけた

「あははっ、高虎かわいー」

ピンク色で柄がついているマフラーを高虎がすると違和感しかない

それでもかわいいと思えてしまう私は本当に高虎が好きなのだろう

「俺が可愛いだと?あんたは趣味が悪いな」

そう言いながら高虎は私にマフラーをかけてくれた

「ふっ、あんたこそ可愛いぞ」

にやりと意地悪そうに笑う高虎がかっこよくて悔しい


「そもそもあんたは足を出し過ぎなんだ。何故膝を出す必要がある。学校には野獣共が大量にいるんだぞ」


「それは校則だから仕方ないよ。てか高虎やきもちだー」


「やきもちではない」

「じゃあなんなの?」

「ぐっ……」


言葉に詰まった高虎を見て勝ったと思った



「あ、あんたを……、女主を愛しく思っているのだから仕方ないだろう」





ああもう

だからどうしてそんなに可愛いの






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