幸村が悲恋
政宗の花嫁
某イラスト投稿サイト参考
数多の戦場を共に駆け巡り、勝利を手にしてきた
女主殿は可憐な少女であるが、細身な体から想像もできないほど速く、重い剣技を繰り出し、その力は男顔負けである。
時を重ねる度、彼女への淡い想いも募り、今では苦しいほどになってしまった
そんなときだ
彼女が政宗殿の元へ嫁いでいったのは
いきなり戦場と俺の前から姿を消し、もう会えることはないと思っていた
それなのに
「女主、殿……?」
たまたま入った団子屋に政宗殿と、女主殿が居た
戦場に姿を見せなくなり、普通の女性の格好をした女主殿は、とても美しかった。
二人は談笑していたが、途端に見つめ合ったまま動かなくなった
脳裏に見るなと言う声が響く
しかし、目を逸らすことができない
そのまま食い入るように二人を見つめる
「あ……」
二人の顔が近付き、やがて重なる
俺は何も言えず、これ以上は堪えられないと静かに団子屋を出た
見たくなかった
俺以外の人と幸せになったあなたなんて
知りたくなかった
口吸いを行う前のあなたの顔も行った後のあなたも
幸せそうに抱き合う二人は確かに夫婦で
入り込むことができる余地などないのは明白にも関わらず、未だにあなたの隣にいる男は私がいいだなんて
あなたに、言えたらいいのに
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