「言わねぇと、どうなるかわかってんだろ……」



上擦った声、潤んだ瞳



「姫…………」



これは



「お前の頬、柔らかいな」



こいつは



「愛してる」





私をここに閉じ込めた人




「……どうした?」



私の両親とポケモンを殺し、



何食わぬ顔で「良い病院紹介してやる」なんて言って


ついてきたら監禁部屋




そんな……奴なのに




それでもグリーンから目線を逸らせず



食べなかったらまた明日も来てくれるなんて考える私は




既に狂っているのかもしれない






「……明日もまた来る。早く怪我治せよ」




「またね」




たった3文字



私の精一杯の抵抗
心はまだわからない






prev next

back

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -