「次体育だよ」


「ん?あぁ」


嫌いな授業が終わっていたらしい

姫が起こしてくれた


「さんきゅー」


「いーえ。一緒に行かない?」


「おう」


皆は既に体育館にある更衣室へ向かっていたが、

俺たちは時間がなくて教室で体操着に着替えた


ちらっと横を見ると、中3にしてはなかなかの胸


細い首筋


白い足


改めてこいつは女なんだと実感する

(俺 姫のこと好きだったんだ)


そう感じた瞬間どうしても今想いを伝えたくなった


「俺さ、お前のこtキーンコーンカーンコーン


キーンコーンカーンコーン


「「………」」


チャイムのやろぉ


「ごめん、聞こえなかった。何?」


「あ、いや……体育終わったら話す!!時間いいよな?」


「うん」


ニコッて笑ったその顔に俺はまた恋を感じた





その体育の時間
何気なく女子の方…つか姫を見てみた

姫はまたどこかを見ている

その視線の先を追ってみた


そこには、眠そうに授業を受けている赤也がいた



あぁそうだった


忘れてた


お前は赤也が好きだったんだな



自覚して1時間もしないうちに失恋か……


天才的すぎて笑っちまうぜ


「ブン太危ねぇ!!」

「は?あ……」

その声にハッとする

目の前にはサッカーボールがある


「うぉりゃ!!」


勢いでヘディングをしたらゴールに入った


「すげぇなブン太!」
「ゴールありがとよ!」

「た、大したことねぇだろぃ」

飛んでくる賞賛を受け流しているとこちらを見ていた姫と目があった


とりあえずそばによって

「どぉ、天才的?」

と声をかけてみた

すると姫は
「……ばーか」

と言いながら俺の手を引っ張りながら校庭にある水道につれっていった


「おい、何だよ」

姫は水で濡らしたタオルを俺の顔になげた

「ぶ!!」

「ぼーっとしてるからボールがあたるんだよ!」


「な!でも天才的なシュート決めただろぃ!?」

「そうだっけ?」

「おま……、ぁ」


言い合いになりそうなのを堪え、聞きたいことをきくことにした


「何?」


「……お前、赤也ばっか見てるから見逃したんじゃねぇの?」



「……え!!?」


「図星だろぃ?」

「…ヘディング見てたから心配したの!……てか赤也の事誰にも言わないでよ」

顔を真っ赤にして睨む姫は全然怖くなかった

「言うわけねーだろぃ!あ お前知ってる?」


「何を?」


何かこいつも赤也も腹立ってきたぜ…からかってやる

俺はたった今思いついたジンクスを言ってみることにした


「自分が飲んだ飲み物を相手も飲んだら両想いになれるらしいぜ」

「……え?」


「なんだよ、いらなかったか?めっちゃ効く恋のまじない」

「う、ううん!ありがとう!私今日やってみる!!」


顔が真っ赤のままの姫はやっぱりかわいくて

それをやる相手が俺だったらいいのに

と思ってしまった



その日の放課後、姫が自販機でオレンジジュースを買っていた


やはり顔を真っ赤にしながらジュースを抱きしめている


「それでやんのか?」


「ひゃ…あ、うん!」


えへへっと微笑まれたらもう堪らない


ちょっとくらい……いいだろ?




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