ちょっとした設定

・スレたナルトとシカマル
・10歳くらい
・捺希と同い年
・転生










「なに、やってるんだ…?」


捺希が偶々遭遇したのは里の大人たちからナルトが暴行を受けているところ。
里の大人たちは捺希に気がつきにっこりと穏やかに笑い話しかける。

「ああ、こんなところで何をやっているんだい?危ないよ」

一人が近づいてその分ナルトがよく見えた。
人の合間から見えたナルトは傷だらけで蹲り身体を動かすのが億劫なのか目線だけを捺希に向けた。
全てを諦めたような深く暗い目。
何処かで見たことのあるその悲しい目。捺希の記憶の奥底にある小さな傷だらけの銀色。

大人たちの一人の男がそっと捺希の肩を触った。
帰るようにと促すように。

一瞬だった。

男が宙を舞った。
何が起きたのか分からず目を白黒させている。
殴られていたナルトでさえ驚いていた。


「触んなよ」

そう言って冷たい目を向ける捺希。

「このガキ!何しやがる!!」


一人が殴りかかってくる。
その拳を避け回し蹴りをいれた。
みぞおちに確実に一発。
男は地面に沈んだ。

「弱いな」

沈んだ男を見下ろして冷笑を浮かべた。
ゆっくり他の大人たちに目線を向ける。

「なあ、まだやるの?」

めんどうくさいと吐き捨てる。

それに怒る男が一人捺希に向かっていった。

数秒。
他の大人たちも残らず捺希によって沈められた。
土を払うように服を叩く。

「捺希、ちゃん…」

小さくナルトが捺希の名前を呟いた。
はっとしたように捺希はナルトに駆け寄る。

「大丈夫か?!」

「だ、大丈夫だってば、よ」

力なく笑うナルト。
捺希は乱暴にナルトの頬に付いた汚れを袖で拭った。

「あいたたた!!痛い!!痛いってばよ!!」

一通り汚れをふき取った後悲しそうに笑う。
ナルトは捺希のそんな表情に何も言えなくなる。

「あのな、痛いときは大丈夫、なんて言わなくて良いんだ…痛いときは痛いって言っていいんだ」

「…っ」

「だから無理、すんなよ」

最後にナルトの頭をくしゃりと撫でる。
何も言わずに俯くナルト。

「さっとりあえず帰って治療するぞ」

「えっ」

「え、じゃない、ほら行くぞ」

ナルトの手をとって自宅へ向かう。
不思議にもいつも騒がしいナルトが静かに捺希に手を引かれて歩いている。
捺希も何も言わず、だ。

ぼろぼろのナルトは通る人たちの視線を集めていた。



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