屋敷の裏にある林に珱と弁当持って所謂ピクニックに来てる。
まああの妖怪トリオも居るんだけど。
「のう、何処までいくんじゃ?」
「もうちょっとだ」
林の中心あたりに涼しげな開けた場所がある。
割と俺のお気に入りで小さい頃からたまにきてたりするんだよな。
十分くらい歩けば底に着いた。
「ここにくるのは久しぶりですね兄様!」
「そうだな」
珱とも昔はよく一緒に着たりしたもんだ。
あー懐かしい。
なんて昔のことを思い出してたら茂みの向こうが揺れた。
動物か…?
いやでもこの辺りに動物なんてでないよな?
もしかして、妖怪?
皆の視線が茂みに向いた。
カサカサと茂みから出てきたのは、
「あれ、人?」
変わった着物の女の子だった。
向こうも驚いたようにこっちを見てる。
え、普通にかわいいんだけど。
「あのーここってどこですかね?」
「え、ここ、ですか?」
「ああ」
珱がこたえた。
「えっとここは…」
いや、答えようとした。
でもそれはかき消された。
「やっと見つけたぜ!」
まるで妖怪みたいな見た目ののやつらが現れた。
なんなんだ、こいつら。
「こんなとこまで追っかけてきたのかよ」
女の子がめんどくさそうに呟いた。
直ぐにぬらりひょんたちは戦闘態勢に入った。
それぞれ俺と珱を庇うように。
おお、別に俺は平気なんだけどな。
無差別に襲い掛かってきた妖怪もどき。
5、6人が女の子の元へ行った。
「危ない!!!」
やられる!
ヤバイとおもった。おもったさ。
でも誰が予想できた?
女の子が自分の腰に挿している木刀を抜いて一振りで5,6人をふっとばした。
そうして木刀を肩に担いでこういった。
「死にたい奴からかかってきな」
楽しそうに笑う彼女。
何者なんだろうか、とか色々考えたけど俺はその子に目を奪われた。
女の子がほとんど1人で片付けてしまった。
強い。
本当に強かった。
それに強いだけじゃなくて舞ってるようで綺麗だったよ。
「あ、巻き込んですません、怪我とか大丈夫か?」
申し訳なさそうに言う。
「大丈夫だ」
「ならよかった」
「君の名前は?」
「私?私は捺希」
突然現れた女の子は強く美しかった。
かぐや姫と兄上
(本当に強いね?)
(そうか?)
(ああ、それに綺麗だな)
(…(天然か?))
((( (あっまたタラシ発動してる) )))
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