「きゃああああああああ!!!」
「!!!」
コナンが悲鳴の方へ駆けていった。
その後に少年探偵団の子供達と博士も走り出す。
コナンが付くとそこには駐車場の片隅で血を流して倒れている男と震えている女性がいた。
近づき首元に手を当て生死を確認するが既に事切れていた。
「博士、警察に連絡を」
遅れてきた博士にそう言って警察を呼んでもらった。
顔見知りである横溝警部(弟)が検察に来た。
「横溝警部!!」
「毛利んとこのの坊主じゃねぇか」
軽い挨拶を済ませて容疑者を見渡した。
そこには先ほどの係員の姿もある。
ただ係員の隣には見知らぬ男性が居た。
「なんで容疑者なんだァ?」
「さぁ…?」
「俺ら善良な一般市民なんですけど!?」
「大丈夫だ、容疑者として呼ばれたのは私だけだから」
「何が大丈夫?!何処も大丈夫じゃないよね!!」
その男は珍しい銀髪に見事なくるくるの天然パーマ。
それに加え死んだ魚の様な目をしている。
まるで漫才のようなやり取りをする二人。
完全に浮いている。
そしてうるさい。
そんな二人を横溝が一喝してようやく大人しくなった。
容疑者は全部で5人と1人。
1人と言うのは先ほど騒いでいた男のこと。
「で、あんたらが咲久乃捺希と坂田銀時、だな」
「ああ」
「つーかなんで俺らが容疑者?」
「そこのお姉さんが」
「私?」
「さっき駐車場から日本刀みたいなのを持って出てくるところを見たんだ!」
「日本刀?!」
なんでもないような顔をしている。
日本刀、という言葉をきいて驚く横溝。
「詳しく聞かせてもらおうか」
「あーそれ日本刀じゃなくて木刀だ」
取り出したのは年季の入った木刀。
木刀だがそれでも凶器になりえなくはない。
だが死体には刺し傷があったために容疑者から一旦は外された。
ただ今回の犯人ではないがコナンは警戒を解かなかった。
少し離れたところで銀時と捺希は話す。
「めんどくせーことになった」
「…ごめん、迂闊だった」
「気にすんな…あのガキがいたんだこうなることは分かってただろ」
「まあ、うん」
暫くしてコナンの推理ショーが始まった。
どんどん解かれていく謎。
犯人は二人目の容疑者である男だった。
その男は最近巷を騒がせていた連続通り魔だった。
「くそ!!!」
逆上した男が転んだ。フリをした。
転んだ隙に車の下に仕込んでいた刀を取り出す。
慌てて警察が数人で押さえ込もうとしたが剣の腕が立つらしく取り押さえる所か負傷させられてしまった。
そのままコナンへと襲い掛かる。
「コナンくん!!」
「江戸川君!!」
刀がまっすぐ振り下ろされる。
誰もが切られた、そう思った。
恐る恐る目を開ければそこにはコナンはいなかった。
「え、」
気がつけば捺希がコナンを抱え少し離れたところで木刀を担いでいた。
その隣には銀時。
「なっ」
「俺がやろうか?」
「大丈夫、久しぶりに身体動かしたいし」
「了解」
「じゃちょっと銀時、この子よろしく」
抱えていたコナンを銀時に託した。
銀時の腕にすっぽりと収まっているコナンは未だに何が起きたのかよく分かっていない様子。
後ろで横溝がやめろ、といっていたが聞こえていないフリをした。
「さ、やろうか」
「舐めやがって…!!お前にも天誅を下してやる!!」
「天誅、ねぇ…やれるものなら」
やってみな、そう笑って地面を蹴った。
そして銀時の呑気なやる気の無い声。
「おー楽しそうだな」