全員が見守る中立体起動装置の再テストが行われた。
今回受からなければ開拓地送り。
エレンが呼ばれ前に出る。

そんな中にその場に似合わない明るい声。


「エレン!」

走ってきたのか息が多少乱れている。

「あ、兄さん!」

「頑張れよー!」

「お、おう」


それだけ言ってアルミンとミカサの隣に移動した。

「捺希さん!」

「捺希兄さん…」

「よっアルミン、ミカサ」


捺希の登場でざわりとした訓練生。
キースの顔色は悪くなった。

「あ、」

「!」

目が合った瞬間目をそらされた。


アルミンが捺希の方を向いて何があったのかと問う。

「あーまあ俺が昔色々やって今は胃潰瘍になったな、うん」

「(なにやったんだろう…この人)」



エレンに装置が装備され持ちあがる。
一瞬その場に留まった、がやはり顔面から落ちた。

エレンの表情は絶望に染まった。


「あ、」

「どうしたんですか、って捺希さん?!」


捺希はエレンの元へ歩きだす。
うなだれるエレンの横にしゃがみこむ。

「おい、教官どの?」

「はい!!なんでしょう!!」

「お前…ちゃんと整備してんのか?これ…」

「?」

「壊れてんぞこれ…おい!」


訓練兵の一人に声をかける。

「はい!」

「ちょっと交換してくれない?」

「は、はい!」


そのあと交換したエレンはもう一度持ち上げられる。

するとまだ危ういがちゃんと状態をキープ出来ていた。

満足そうに笑う捺希はアルミンとミカサの元へ戻る。

「え、どういうことなんですか?」

「ん?金具が壊れててエレンは転んでたんだよ」

「え?そうなんですか」

「ああ、普通に失敗してんだったらああは転ばないっていうか地面に付かないからな」

「へぇ…」



「兄さん!!俺、出来た!!!」

嬉しそうなエレンに微笑ましく笑う捺希。













「あ、教官殿にはあとで…しよう」

「え、なんか聞こえちゃいけない言葉が…教官超逃げて!」

「ん?」

「捺希兄さん…」

「なんでミカサも親指立ててるの」


次の日キースは腹痛で休んだことにアルミンは合掌をしミカサはその日嬉しそうにしていたり。
エレンは珍しいな、なんて呑気に言ったいた。

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