はっとしてナルトが飛び起きる。
日が完全に落ちていた。

やってしまったと項垂れる。


「ん、起きたのか?」


様子を見に来た捺希はよく寝てたな、と笑う。
慌てて謝るナルト。


「ごっごめんってばよ!!」

「大丈夫だよ」

「でも」

「眠気なんて仕方ないさ、寝起きだけどご飯どうする?」

「あ、食べる!食べるってばよ!」

「じゃ直ぐに用意するからちょっと待っててな」



再びキッチンに立ち暖めなおす。
テーブルに置かれた二人分のご飯。

「もしかして、食べてなかったってば…?」

「まあ一人で食べたら呼んだ意味ないじゃない」

「ごめん…」

「大丈夫だから謝らない!」

「お、おう」


二人で頂きますをして食べ始める。

「うまい…」

「そうか?」

「ああ」

「ならよかった」

おいしいと言われて嬉しそうに笑う捺希。


食べ終わり一息を付く。
時間は既に子供が出歩くのには遅い時間だった。

「そろそろ帰るってばよ」

「ん?いっそ泊まってったら?」

「とまっ?!」

「めんどくさいだろ?」

「いや、いいってばよ!」

「えー」

全力で断るナルトに少し残念そうにする。

「帰るなら送ってくよ、子供が出歩くのには危ないし」

「いや、だから捺希も子供だってばよ?」

「まあ、そうだったな」

「送るのは大丈夫だってばよ!此処から俺の家までそんなに遠くないからな!」

「そうか?」

「おう!」


袋に入れてもらった衣服を片手に持つ。

「じゃあ今日はありがとうだってば!」

「おう、また何時でもご飯食べにおいでよ」

「おう!!まじ本当美味しかったから楽しみだってば!」

「はは、じゃあ気をつけてな」

「おう!じゃあお邪魔しましたってばよ!」


捺希の家を後にして暗い夜道を歩く。
すると暗がりからお面をつけた青年が現れる。

「ああ、鹿か」

青年が現れた途端に雰囲気ががらりと変わった。
真ん丸い目は鋭く細められる。

「めずらしいな、」

「ああ、そうだなそう思う」

「…」

「怪しいかったけどな」

「は?」

「いくらアカデミーで成績が秀でていても大人相手にさわりもさせずに一発で伸すなんて普通のガキじゃできねぇよ…それに」

「それに?」

「いや、なんどでもないさ」

「?」

「そんなことより任務か?」

「ああ」

「そうか」


術をかけ一瞬でナルトは目の前の青年と同い年くらいになる。

「場所は走りながら話す」

「ああ」

「さ、行くか総隊長」

お面をつけて夜の暗闇にまぎれ消えていった。














補足ですが最後の鹿はシカマルです。
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