暫く歩くと捺希の住む家が見えてくる。
何時ものように自宅の鍵を開けて扉を開けた。
「さ、入って」
「え、あ、おう」
少し遠慮がちに入っていくナルト。
居間にあるソファに座るように言われて今は座っているナルトは辺りを見渡す。
数分して捺希が救急箱を片手に衣類を持ち戻ってくる。
ナルトの横に座った。
「とりあえず服を脱げ」
「ぬっ?!ハァ?!」
「脱がないと治療できないじゃないか」
「あ、ああ」
素肌に残る青い痣と腕にできた切り傷擦り傷。
手際よく痣にはシップを、腕には消毒液を付けてガーゼを当てて綺麗に包帯を巻いていく。
それを眺めているナルト。
「手際、いいんだってばね」
「ん?まあ…」
最後に小さな傷に絆創膏を貼り終わりだと救急箱を閉じる。
「あ、服がぼろぼろだったから変わりにこっち着てなよ」
シンプルなTシャツとズボンを渡す。
「多分サイズは大丈夫だと思うけど」
「えっ大丈夫だってばよ!治療してもらって服までなんて…!」
「いーの、子供は遠慮しないの」
「いや、捺希ちゃんも同い年だってばよ」
渋々だが押し付けられて着替えるナルト。
渡された服が思ったよりもぴったりで少し驚いている。
「あ、折角なんだから夕飯食べてってよ」
「流石にそこまでは…」
「いいじゃないの、一人で食べるのは少し寂しいんだぞ?」
「…わかったってばよ、ご馳走になるってば」
「ん!」
それからキッチンで料理を作る捺希の後姿を眺めるナルト。
「(そういや手作り料理なんて何年ぶりだ?)」
少しだけ顔が緩みそうになる。
鼻歌を歌いながら楽しそうに作る捺希を横目にソファに寝転びそのまま寝てしまった。
作り終わった捺希はナルトを呼んだが返事が無く不思議に思いソファを覗き込む。
すやすやと眠るナルトが居て捺希の頬が綻ぶ。
毛布を持ってきて掛けてやりその横に捺希は腰掛ける。
「疲れてんのかね…子供なのに無理しちゃって…何か隠してることくらい知ってんだぞー」
髪を撫でる。
小さく身じろぎをするだけで起きない。
「ゆっくりお休み…」