懐かしむ




「そういえば捺希さんって銀さん達の姉貴分だったんですよね」

新八が捺希を見てそういう。

「まあ、な」

「銀さん達って昔どんなだったんですか?」


興味津々に聞く。
捺希はそうだなぁ、と思い返す。

「あ、そういえば…」














のどかな田舎の村塾に元気な子供の声が響く。
緑が多くのんびりとした所だった。

一番後ろの席が銀時の席だった。
襖に凭れかかり刀を抱えて居眠りばかり。

「銀時…ってまた寝てるのかよ…」

呆れたように見る高杉。
ため息をついて銀時の頭をはたく。
はたかれた銀時は飛び起きる。

「いってぇ!」

「寝すぎだバカ」

「なにすんだチビ!」

「なんだと?!くるくるパー!!」

段々ヒートアップしていきお互いににらみ合う。
そんな様子に桂はまたかと苦笑い。
捺希は普段そんな二人をみていつも「キャットファイト」と言っていた。

「高杉…銀時に用事があったんじゃないのか?」

「あ、そうだった」

「?」

「今日町までお使いに行けって頼まれてたんだよ」

「え、俺も?」

「ああ、銀時とヅラと三人で行って来いって」

少し考えてやだよ、とそっぽ向いた。

「あ?なんでだよ」

「だって俺が行ったら…」

きゅっと刀を持つ手に力が入る。

「…銀時、捺希も言ってただろ…周りの言うことなんて気にするなって」

「そうだぞ、それに何かされても俺達も守るから」


だから、な?と手を出す二人を交互に見て溜息をついた。

でも表情は柔らかい。


「しかたねぇな」

二人の手を取った。



そんな様子を見守る親ばか二人。
教室の扉を少しだけあけて破顔しながら眺める。

「やだ、うちの子たち天使!」

「そうですねぇ…」









「っていうことがあってだな…仲はかなり良かったぞ?」

「え、ていうか誰ですか?」

「誰って…銀時と小太郎と晋助」


「いや、思いっきり別人…っていうかあの人たちにそんな可愛い時代もあったんですね」

「まあな!!かなり可愛かったぞ!!」

興奮気味に話す捺希。

懐かしい懐かしい、と昔を。


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