*裏描写プラス甘いかどうかも分からない小説です。甘いだけじゃないので注意です。



この前見た映画で「人は中から死んでいく」という台詞があった。
それを見て何を思うでもなくやっぱり人間と俺の価値観は違うという結論に至っただけで大抵どの本を読んでも映画を見てもその結論に至るのだけど、暇潰し程度にはなる。
俺達呪霊には人間みたいに拘束されてる時間も無ければしなければならない事項なんて存在していない。本能が赴くままにしたい事をするだけなんだから。

俺は今、その通りに素直にしたい事興味のある事をしていた。
最近出会った名前という人間で遊ぼうと思っていた。
名前は何処にでもいる人間だったと思う。呪力が強くて俺の事が視えるという事以外は。呪術師か呪詛師かと思ったけど違うらしい。今までどちら側にも見つからずによく生きてたものだと思う位の呪力量だ。
モノにしようと思えば力を手に入れられるよ、と言ったけど興味は無いらしい。
かと言って俺を怖がる事もしなかった。今も俺が急に部屋に入って行ったのに淡々とつまらなそうにテレビを見ている。気付いて居る癖にこちらを見ようともしない。

「ねーねー、名前ー。気付いてるんでしょー。」

『真人でしょ。気付いてるけどなあに?』

「俺さ、暇なんだよね。遊ぼうよ。」

『何をして遊ぶの?』

「そうだなあ…人間がよくしてる恋愛ごっこでもしてみようよ。」

『私人間だよ?恋愛ごっこはした事ないなあ。』

「ふーん。じゃあ恋愛はした事あるんだ。」

『それなりに、普通くらいにね。ごっこでするものじゃないよ。』

そう言い始めたのはテレビに映されていたのが恋愛ドラマだったからだ。
興味があるのかと言われると、大してありはしない。ただ退屈だったからだ。
名前を殺そうと思えばすぐにでも出来るだろうけど、殺してしまえば現状尚の事退屈は酷くなる。そう思って居たらいつの間にか殺し損ねている。
それに対しても理由なんか無い。

「名前の言う普通の恋愛ってどういう事するの?」

名前に近付いて顔を近付けてみたけれど名前は怖がる事も何ら反応も起こさず俺を見ていた。

「こういう事?」

そう言ってテレビでしていたように名前の唇に自分の唇を重ねた。
すぐに離したけど、これってなんの意味があるんだろう。

『さっき真人がしたのはキスって言うんだけどね。この行為だけで恋愛にはならないよ。ごっこにはなるけど。』

「もー、キスって言葉位は知ってるって。それに俺が言ってるのはごっこだからこれでいいんだよ。」

『ああ、確かに真人はごっこって言ったもんね。』

「因みにその先にする行為も知ってるよ。」

名前の身体を掴んで床に押し倒した。今色んな意味で名前の事を好きに出来るという高揚感はある。例えば触れて行きながら、俺の思う形に変えてやる事だって出来る。
だけどしない。ごっこ遊びが途中終了されてしまうからだ。
名前の瞳に俺が映っている。それ位至近距離でじっと見詰めてから名前の頬を舐めたら名前の身体が跳ねた。

「って言っても俺にはその行為する為のものが着いてないなんだけどね。
必要無いし。でも一時的に生やす事は出来るよ。」

『何して…んの。』

「ごっこ遊びかな。ねえ、名前舐められるのって気持ちいいの?」

『さっきのはびっくりしただけ。急にほっぺた舐めたりするから。』

名前の下腹部を撫でながら、舌なめずりをした。ほら、君は手の中だ。
今俺が力を使ってしまえばどうにでもなるのにな、なんて思うと高揚感が少しだけ増す。
逃げるでもすればいいのに、そしたら形変えてやるのに名前は逃げようとしない。
スカートの中に手を差し込んで、衣類を剥がしてやっても名前は逃げようとしなかった。下着で隠されていた箇所に指を這わせてみれば何とも言えない生々しい感触がする。
ああ、やっぱり人間なんだな。内臓みたい。粘液まで出て来るし。
こんな事を始めてやっと名前の表情がいつも見ている表情と変わって来た。
頬を赤くして呼吸を荒くしている。

『っ…ま、ひと…』

「名前、気持ちいいの?」

『…っ…う、ん。それと、ちょっと痛いかも。』

「名前って痛いの好きなんだ?」

『好きじゃな…あっ…んっ…』

「へえ。そういう声出すんだね。」

表面を指先で弄って居たら、俺の指を飲み込む箇所を見つけたから指先を沈めてみたら、
また生々しい音が響く。人間の男はここに自分の性器を挿れて腰振るんでしょ?
まあ、しようと思ったら出来るんだけどな。こうやって弄ってる方が楽しいかもしれない。何となく指を増やして内部を広げるように指を動かせば名前は余裕無さげに声を上げた。

『んっ…は、あ…ま、ひと…』

「なあにー?名前もこういう事は好きなんだね。あは、人間らしくていいと思うよ。


『…んぅっ…そりゃ、こういう反応もしちゃ…う…は、あっ指、増やさないで。』

「そう言われるとしたくなるなー。」

『っ…あ、だ、め…だって…や、やだ…まひと、いっちゃ、う…』

「ん?何それ?」

『あぁっ…だ、だめだって…んんぅうっ!』

中に沈めてる指先をぎゅうぎゅうと締めつけて、俺の手に体液を対象につけて名前は苦痛なのか快楽なのか身体をビクビクと痙攣させた。
気持ちいい所をずっとされてるとこうなるって事、ああそう言えば知識としてはあったような無かったような。少しだけ分かったかもしれない。孕ませたいとかそう言う欲求。

「ねえ、名前。まだしようね?恋愛ごっこ。」

そう言って俺はその作業のような行為を続けた。限界が来たのか名前が意識を手離すまで俺は名前の内部を弄んでは溢れる粘液を楽しんだ。
だけど、思ってたより意識を手離すのが早かったな。なんて思った。人間は快楽に弱いんだね。
ずるりと名前の内部から指を引き抜いてみれば透明な液体で俺の指先はビショビショになっていた。完全に落ちている名前の粘液を舐めてみるとまた次会う時にこの遊びをしようと思考を巡らせた。

あーあ。名前が呪力の使い方に興味を持てばいいのに。
そしたらもっと一緒に遊べるのになあ。
大多数の人間だったら形変えてストックしておけばいい。
だけど君には素質だってあるのに。
そうしたら、もっと二人で楽しい事出来るのにな。
やっぱり次来た時には真面目に説得してみよう。

愉しい事をしようよ。一緒に思うがままに、遊ぼうよ。
人が残酷だって言う行為をしようよ。
本能の赴くままに。





end お題「溺れる覚悟」様より







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