夏とは言え夜は肌寒い


風邪を引いてしまわないようにと恭が持ってきたタオルで拭いてやる間、李玖はおとなしくされるがままでいる




「夕陽もキレイだったけど……今の星空もキレイだね、恭さん」



「ここら辺は建物が少ないからよく見える」




さっきまでのはしゃぎ様が嘘のように静かに空を見上げる李玖
恭も何を言うでもなく静かに空を見上げていた


聞こえてくるのは波の音だけ
それはとても心地良い沈黙だった




「………李玖」



「恭、さん……んっ…」




しばらく静かだった2人はどちらからともなくキスをする


軽く触れるだけのキス


いつもしているソレはシチュエーションが違うだけでまったく違うもののように思えて2人は少しだけ興奮した


けれどそのまま情事にもつれ込んだりはせず、2人はただ抱き合って時折口付けを交わすだけだった




「好きだよ、李玖……」



「ん……俺も、好きだよ」



「もっと言って」



「好き……恭さんが、大好き」




愛を囁き、再びキスをする


今度は軽くじゃなく、長く深く交わされるキスだった
何度もくっついては離れてを繰り返す



唇が離れても2人は抱き合い、やがて静かに体も離れた




「そろそろ帰るぞ……」



「うん………俺お腹すいちゃった」



「今日は外食するか
この近くに美味しい店がある」



「行く!
恭さん、車まで手繋いで良い?」



「良いぜ……ほら」




指を絡ませ、恭は李玖の手を包み込むようにしっかりと繋ぐ


お互いに何も言わなかったが、車まで2人はゆっくりと歩いて行った










煌めく水面

(夕陽に、星と月)
(きらきらと光って綺麗だった)

(朝陽で煌めく海も)
(今度見に来たい、な……)





「「ごちそうさまでした」」


「さっきお菓子食べたのにデザートまでよく食べれたな……」


「恭さんも食べたかったの?」


「別に………いや、やっぱ食べたい」


「何頼む?」


「……………李玖」


「何にするか決まった?」


「だから、李玖」


「………ん?」


「李玖が食べたい」


「…………?!」


「極上のデザートと言えば李玖しかいない」


「なっ……////


「舌がとろける程の甘さと弾ける様な触感が最高だな(ニヤリ」


「も、ヤメテ………////


「さて、帰るか(ニヤニヤ」


「………………うん////


「あ、車の中では一言も話すなよ」


「………何で?」


「我慢が効かなくなる………車の中で襲うぞ」


「Σ(゜Δ゜*)」


「(そんな真っ赤で可愛い顔されたら今スグに食べたくなるだろうがっ)」