恭の唇が肌に触れる度、ビクッと李玖の躰が跳ねる
体内に溜まった熱を放出出来なかったせいで余計敏感に反応してしまうのだ
「ふ…ぁっ…恭さ、んっ」
もういっぱいなのに
今の李玖にはさっきまで読んでいた本のことは微塵も残っていない
目の前で、自分に愛撫してる恭しか見てない
他のことなんて気にもなってないのに
まだ……まだまだ足りない、の?
どのくらいが基準になるのか それが分からない
どう示せば恭が満足してくれるのかも、分からない
ぐるぐると悩んだ結果(もちろんその間にも愛撫は続いてる)李玖は自ら恭の首に腕をまわしてキスをした
―――普段李玖の方からキスをすることはまったくない
たまーにすると恭がすごく喜んでくれるからしようかと思うけど……
羞恥の方が上回るから考えても実行は出来ない
そんな李玖からの突然のキス
驚く恭だったが、嬉しかったため李玖の好きなようにさせた
李玖は拙いながらも必死に舌を絡ませる
それはお世辞にも巧いとは言えない
過去に何人もと寝たことがある恭からすれば、ひどく子供染みたキスだ
李玖にも、自分はキスが巧くないという自覚があった
しかし、恭は今までのどんな巧みなキスよりも、李玖からしてくれる拙いキスの方が好きだった
「珍しいな、李玖からキスしてくれるなんて……」
李玖のあごに手を置き、さっきまで味わっていた柔らかい唇を親指でなぞる
すると李玖は恭の指を舐め始めた
その行為に今度こそ恭が固まる
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