夏休みに恋人と夏祭りデートをするのって学生の夢だと思う
今まさにその夏祭りへ来てるけど、カップルが多い
(家族や友達と、ってのも沢山居るけど)
みんな楽しそうだ
ちなみに俺は1人
(恋人はちゃんと居るよ?)
でも、その恋人との予定が合わなかったんだ
俺は学生だけど、向こうは社会人でしかも普段から海外に居る
いわゆる『遠距離恋愛』
仕事で忙しいんだからしょうがないって思う
…………でも、やっぱり楽しみにしてたから「行けない」って連絡が来た時は流石に寂しかった
(久し振りに逢えると思ってたし)
「はぁ……
1人で居ても虚しいだけだし、もう帰ろ」
祭り自体好きなのに、今日はまったく楽しめない
自分で思ってた以上に逢えないのがツラいのかもしれない
人の流れに逆らいながらもと来た道を戻る
途中でリンゴ飴買って食べたけどモソモソして不味かった
人混みを抜ければ、さっきまでの賑やかさと反転して辺りはとても静かになり、それがさらに俺の気分を憂鬱にさせる
「今日はもうコンビニ弁当で良いや」
コンビニへ向かおうと歩き始めた瞬間
後ろからグイッと腕をひかれ、俺は何か暖かいものに包まれた
「どこ行くんだよ?ミナト」
「ディーノ、さん…」
「悪い。今日、夏祭りだったんだな……
ツナに怒られたぜ(苦笑)」
「………仕事は?」
「全部終わらせて来た
だから一緒に祭り、行かないか?」
後ろから抱き締められたまま、ちゅっと頬へ小さなキスをされた
(くすぐったくて恥ずかしい!////)
多分、今俺の顔は真っ赤だ
そしてディーノさんは笑ってる
いつもの、とっても優しい笑顔で
だって俺の返事なんて聞くまでもないんだから
今の僕はきっととても幸せ(だって貴方が隣にいるから)
「ディーノさん、今回はどれくらい日本へ?」
「1週間くらいだな」
「そんなに居れるんですか?!」
「嬉しい?」
「はい、すっごく(微笑)」
「(可愛いっ)
まぁ、ツナのおかげなんだけどなぁ……」
「………えっ
それって大丈夫なんですか?!」
「……………あー、大丈夫じゃないかもι」
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確かに恋だった