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希望 [ 14/29 ]





まだ薄暗い時間帯にあたしは目を覚ました。よく眠れなくて、ぼうっとしながら目をこする。
まだ気持ちは決まらない。今日出発だというのに、心は揺れ動いている。襖を少しだけ開けて、隙間からじっと外を見つめる。

あたしはいつまでこの夢の中にいるのだろう。唐突にそう思った。夢の中にいるのに、感覚だけは妙にリアルで。先生にも会えたし、みんなと一緒に学ぶことだってできた。でも、いつかは必ず終わる。



あたしは確かに3人と一緒に戦争に参加した。でも、もし。もし今あたしが3人と行かなければ、どうなるんだろう。もう一つの人生があったのか。
誰かと結婚して子どもがいたり、もしかして真選組の一員になっていたり。考えてフッと笑う。3人がいない人生なんてあたしにはありえない。


手元にあった刀と着替えを入れた袋を持って飛び出した。みんなの姿はとうになく、部屋はがらんとしていた。息が切れるのを感じながらも足を動かして後を追う。お願い、追いついて。足が痛くなって苦しいと思うようになったころ、ようやくぞろぞろと歩く集団を見つけた。


「待っ、て!」


途切れ途切れに言うも、耳に届いていないらしく止まる気配はない。


「止まれバカヤロー!!」


思いきり叫ぶと、みんなが驚いた顔でこちらを見ていた。よたよたと近づいて乱れた息を整える。


「名前、なんで」
「今までずっと一緒だったじゃん。急にバラバラになるなんてありえないでしょ?」


にやり、と笑うとつられてみんなも笑顔になる。
また一緒にいれるなら、戦争にだって行ってやろう。落ちそうになった刀をもう一度強く持ち直すと、少しだけ重くなった気がした



私たちの交差点は希望にみちあふれているでしょうか




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