マヨ漬け。 | ナノ
「こんにちはでござる!」
玄関のチャイムが鳴り誰だろうと思いながら扉を開けるとトシ、いやトッシーが立っていた。
「こ、こんにちは」
赤いハチマキにベスト。あんまりいただけないファッションセンスに苦笑いをこぼす。
トシがこんな風になってしまったのは、妖刀のせいらしい。私がトッシーに会うのはこれが初めてではなく、以前何度か会ったことがある。初めて会った時は、トシの顔なのに性格は全く違うトッシーに戸惑いっていたのを覚えている。
「あれ、仕事は?」
玄関前で話すのもあれだから、家に招き入れながら尋ねる。今の時間帯ならまだトシ…じゃなくて、トッシーは仕事をしているはず。
「今日は休んでいいと、近藤氏に言われたでござる」
満面の笑みでそう答える、トッシー。たぶんそれって、追い出されたんだと思う。うっかり口に出てしまいそうになるのを抑えて心の中にしまっておく。
「今日はなまえたんに、プレゼントを持ってきたでござる!」
お茶を入れた湯飲みをテーブルに置くと同時にそう言うと、持ってきた荷物をがさごそと漁りだすトッシー。
なんだろう、と身をのり出して見る。プレゼントなんていつぶりだろうか。相手がたとえトッシーでも嬉しかった。
「はい、なまえたん。」
そう言った手渡されたのは、セーラー服。ニコニコと笑うトッシーの頭をとりあえず一発殴っておいた。