マヨ漬け。 | ナノ


やっとのことで風邪が治り、仕事にも復帰できるようになった。迷惑かけてすいません、と店長に謝って店の掃除から始める。


「なまえちゃん、こっちも頼むよ」
「はい、今行きます!」


箒とちりとりを手に、厨房まで向かう。指定された所を掃いていく。
厨房では料理の仕込みを始めていた。油や豚肉などの匂いが鼻につき、吐き気を覚える。慌てて口に手を当てる。気持ち悪い、気持ち悪い。くらりと立ちくらみがしてうずくまる。


「おい、大丈夫かい?」
「…すいません」


またも料理の匂いが吐き気を誘い、急いでトイレへ向かう。




「…なに、コレ」


胃の中のものを出し終え、少しすっきりとしながらトイレから出る。風邪がまだ完全に治りきってないとしても、食材の匂いだけで吐いてしまうなんて。今まで一度もなかったことに戸惑いが隠せない。
疑問に思いながら厨房に戻り、店長に心配されて違う仕事を言い渡された。こんなことが続いているようじゃ迷惑をかけてしまう。早く治そう。





「##name_2##なまえさん、どうぞ」


仕事の合間をぬって、病院に向かった。受付のお姉さんに名前を呼ばれて、診察室のドアを叩く。お入りください、と中から声がして足を踏み入れる。



「風邪、ですか?」
「はい。熱が引いて治ったと思ったのに、先日吐いてしまって」
「なにかお食べになられましたか?」
「いえ、食べ物の匂いを嗅いだ瞬間気持ち悪くなって…」


先生がふむ、と考える素振りを見せてこちらを見つめる。


「あのなにか…?」
「##name_2##さん、恋人はいらっしゃいますか?」
「ええ、まあ」


何か深刻な病気なのか、と怯えていると予想外の質問をされて戸惑う。私の答えを聞くとまたもや先生は考え込む。


「産婦人科へ行って、もう一度診察を受けてください」
「へ、」
「妊娠、してるかもしれません」


頭をがつんと殴られたような衝撃を感じた。妊娠、って私のお腹に赤ちゃんがいるかもしれないってこと?そんなの、嘘だ。



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