マヨ漬け。 | ナノ


窓の外がうっすらと明るくなり、鳥が騒ぎだす。…もう朝か。
太股あたりの温かさに顔をしかめる。まだコイツは起きていないようだ。
昨夜、私が揺さぶっても、声を上げても起きなかった。顔でも叩いてやろうかと思ったが、それはそれは気持ちよさそうな顔で。結局朝になってしまった。


男と同じ部屋で寝るのは抵抗があり、一睡もできなかった。幸い今日は仕事が休みなので、家に帰ってゆっくり寝ようと睡眠を諦めたのだ。



それにしてしてもどうしよう。こっちは一睡もできなかったというのに、何でコイツはこんなにぐっすり眠っているのだ。
そう考え始めるとイラついてきた。揺り起こそうと手を伸ばすと同時に襖がガラリ、と開いた。


「………」
「………」


襖を開けたお妙ちゃんと一瞬見つめあう。と、自分の今の姿を想像する。
太股のあたりには銀髪の男。(寝相のせいか、胸元がはだけている)そして私も机に寝ていたせいか、着物の合わせ目がずれてなんともセクシーな格好になっている。



「お、お妙ちゃん、これは「死ねェェ!!」


必死に訂正するが、お妙ちゃんには届かない。銀髪の男の着流しを掴む。そして、



「?うおォォォ!!」


振りかぶって投げる。そのまま男は隣の部屋までぶっ飛ばされる。あまりの迫力に言葉が出てこない。



「いってえーな、何しやがんだコノヤロー!」
「銀さん、この子に何したの?」
「なにってナニ…?」
「この卑猥パーマネントォォ!」


お妙ちゃんがまたもや男をぶっ飛ばす。凄まじい音で起きたのか、新八くんが慌てて止めに入る。弟の登場で我にかえったのか、やっとお妙ちゃんの動きが止まる。



「お妙ちゃん、あのね…」


そして昨夜のことをつらつらと話し始める。
話し終わると、ほら見ろと言わんばかりの態度で銀髪が座っていた。元々はあんたが原因だろ、と軽く睨む。新八くんが銀髪に説教をしている。


チラリと横目で見た携帯はうんともすんとも言わなかった。

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