いろいろ | ナノ
「十四郎さんお待たせしました」
「お、鍋か」
「はい。寒くなってきたので」
「なんの鍋だ?」
「塩麹鍋です。シンプルな味でおいしいんですよ」
「へぇ」
「じゃ、お椀貸してください」
「ん。」
「今夜も冷えるみたいですからたくさん食べて暖まってくださいね」
「…おい」
「はい?」
「………春菊はいれなくていい」
「嫌いなんですか?」
「……あれずっと口ん中残ってるだろ」
「ああ」
「どのタイミングで飲み込めばいいのかわからねェ」
「ふふ…じゃあ抜いておきますね」
「茶でいいのか?」
「あ、すいません」
「気にすんな。」
「どうぞ。あ、マヨネーズはしまってくださいね」
「………」
「十四郎さん?」
「………わかった」
「「いただきます」」
「…どうですか?」
「ん、うまい」
「よかった」
「おかわりいります?」
「ああ、頼む」
「はい。あ、締めはおじやにしますね」
「いいな」
「うどんと悩んだんですけど、やっぱりおじやかなって」
「そうだな、俺も締めは米のほうがいい」
「最近はラーメン入れたりもするみたいですよ」
「……ラーメンか」
「あ、気になります?今度やってみましょうか」
「おう」
「ふふ」
「なんだ」
「いえ、なんでも」
「……」
「……」
「…明日どうする」
「明日…ああ、クリスマスですね」
「どっか行きたい場所とか食いたいもんとかねェのか」
「十四郎さんが一緒なら、私はそれで。」
「…そ、そうか」
「でも大事なお仕事があるって前に言ってましたよね?私のことは気にしないでください」
「いや、大丈夫だ。意地でも終わらす」
「………十四郎さん」
「なんだ」
「明日、楽しみにしてます」
「ああ、俺もだ」