洗濯物カゴの中に残っていたチェックの派手なトランクスを洗濯挟みで止め、やっと一息ついた。溜まっていた洗濯物を全部干すのに小一時間はかかった。洗濯物の殆どが佐助のワイシャツやらネクタイやら、靴下やら下着やらで、寝室が洗濯物でいっぱいになる程だった。ふと、外を見ると、もうパラパラと雨が降っていた。今日は雨が降る前にDVDを借りにTSUTAYAに行こうかなと思っていたが、諦めざるを得ない。仕方がないので今日はおとなしく家でお留守番をするしかないようだ。名前はふああと欠伸混じりにリビングに向かい、テレビの電源を付けた。ちょうどお昼前で、面白そうな番組がやっていない時は専らアニメ専門のチャンネルを見て過ごすことが多い。ついこの間佐助が地デジ対応に繋いでくれたから、ケーブルテレビ見放題になった。其れが原因で名前のヲタ性に拍車をかけていることを佐助は知らない。名前は一日の大半はソファに寝そべりながらテレビを見ている。因みに仕事はしていない。大学も訳あって休学中。かといってニートな訳でもない。そんな曖昧な生活を此処で送って毎日過ごしている。端から見れば実につまらなそうに見えるが、本人曰く、とても充実した日々を送っている、だそうだ。先に言ったように、家事全般は佐助がやってくれるし、綺麗好きだから毎日のように掃除をしてくれて居心地はいいし、彼が作るご飯は美味しいし、何不自由なく暮らせているのでストレスは溜まらない。(佐助はどうだか知らないが。)面倒くさがりな名前にとっては此処はパラダイスに等しいのだ。






「ふあぁ、(…眠くなってきた。)」

名前はソファに寝そべりうとうとして欠伸を一つすると、壁掛けの時計をちらりと見た。あともうちょっとでお昼の時間になる。名前は傍にあったブランケットを被り、テレビを消すと、そのままゆっくりと目を瞑った。

「…………。(お昼の前に一眠りするか。)」

静かになった部屋の中で聞こえてくるのは名前の呼吸と、さっきよりも強く降っている雨の音だけだった。



20100317.






第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -