朝早くから洗濯機の中が回る音がする。今日は昼から雨だというのに洗濯物は溜まっていた。家事は殆ど彼がやってくれるけれど、洗濯物は私の当番だからやらねばならない。それ以外に仕事もないのに最近サボってしまったので今朝から彼に酷く叱られてしまった。朝ごはん抜きにするよ?なんて脅してきたもんだから流石にちょっと焦った。許しを請うために私が彼の頬っぺたにちゅうしてやると途端に機嫌がよくなったから良かったけれど。朝食を早々と済ませると、佐助は仕事の準備を始めた。佐助の仕事先はまだ勤めて間もないが、もともと容量がいいし順応能力も他よりは高いのでもう会社にはすっかり馴染んでいるらしい。そういえばこの前これからたくさん働いてお金貯めて、私との結婚資金に使うんだ、って笑いながら言っていた。全くお前は計画的な人間だよ。つか、誰がお前と結婚するっつったよブォケ。

「俺様が帰ってくるまでにはきちんと洗濯物干しといてね。」
「うん。」
「部屋干しでだよ?」
「うん。」
「じゃあ行ってくるね。」
「うん。」
「…………。」
「……ん?」

玄関のドアを数センチ開けたまま突然静止したので、何か気持ちが悪くなってしまったのではないかと心配になった。

「どうしたの?」
「……いや、何て言うか、」
「気持ち悪いの?」
「…さっきの名前ちゃんのちゅうの感覚忘れちゃったんだよね。だから、行ってらっしゃいの意味も込めてさ、もう一回してくれないかな??」

――ドンッ………!!!

返答を返す間もなく佐助を追い出してドアを勢いよく閉めた。ドアの向こう側からうめき声が聞こえてきたが、無視しておいた。


なんかもう、私本当にツンデレかもしれない。


20100314.





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