申し訳ございません。喉の奥から絞り出すように一期一振は言った。その口ぶりのわりに激しく、わたしの中を背後から突く。そのたびにわたしは甲高い声を上げた。電撃のように快感が背筋を走る。いつもの物腰やわらかな彼からはとても考えられない、ひどく性急で乱暴な態度に驚いたけれど気持ちいいことは確かだった。腰をがっしり掴まれて痛いくらいだが、膣の内壁を激しく擦られる感触に脳は甘い痺れを感じている。
「はっ、んあっ、はあっ、いちご、」
「っ、はあ、申し訳ございません、なまえ様、申し訳…」
どうしてそんな切ない声を出すの。その思いは声にはならない。ぐっと後ろから腕を引かれて上体を起こされる。彼の両腕ががっしりわたしを捉えて離さない。ひとしきり唇をむさぼられたあと、首元に顔を埋められ吐息がじかにかかる。そのままガンガン突いてくるものだから、わたしは天を仰いでだらしなく涎と喘ぎを漏らした。
「あぁっ!あ、やだ、イく、いちごぉ、イく、やだあ、やだあっ」
「はあ、ふっ…、お慕い申しております、なまえ様…」

そのあとのことはあまり覚えていない。あまりの快感に気が触れたのはどうやら間違いない。寝ていたようだ。目を覚ますときちんと身体が拭かれ服も着せられて布団に寝かされていた。頭がぼうっとする。腰が痛い。はあ、だるいなあ。すると不意に名前が呼ばれ、額に手が乗せられた。ぼんやりした目で見上げると思い詰めたような顔の一期一振がわたしを覗きこんでいる。
「いちご、」
「申し訳ございません、ご無礼を」
重い身体を起こす。互いに裸になってあれほど乱れていたというのに彼はもう既にかっちりといつもの服を着込んでいる。彼は先の行為を恥じているらしかった。まあ、彼らしくないといえば彼らしくはなかった。悪くなかった、けどなあ。わたしの身ばかり案じられても肩身が狭いというものだ。
「弟たちには、どうかご内密に…」
「何言ってるの、当然でしょ」
「すみません、」
「わたしは結構、ああいうのもすき」
すっと彼の頬に手を伸ばしてキスをした。拍子抜けした彼の顔に思わず吹き出す。なに、その顔。