腕の中でなまえが小さくよがる。繋がったまま俺の上に座る彼女の奥の奥の方に、俺自身が当たるのが原因だろう。きゅうと締め付けてくるのに耐えかねてゆるりと腰を動かすと、汗ばんだ彼女の腕がまとわりつくように背中を這った。
「ん、んんっ、ふあっ、んっ」
堪えるような嬌声が耳につく。皆が寝静まった夜とはいえ、女の声は響きすぎるのだ。彼女が息を漏らすたび、高ぶりに血が煮える。好きだ。好きだ、なまえ。律動を速めぐちゃぐちゃと彼女の中をかき乱した。
「あっ、くにひろ、くにひろくんっ」
唇を食らい、乳房を食らい、なめらかな腹を上から順に愛撫した。柔らかく、もろい。体を重ねる度そう実感する。俺が守ってやる。俺ならあんたを守れる。それは俺の矜持だ。写しだというのに俺を認めてくれたあんたになら、俺は全てを捧げたっていい。それを噛みしめるのが、彼女の体を蹂躙するこのときだなんていうのは滑稽極まりない話だが。
俺に座らせたなまえを縦に振ったり揺らしたりする。俺はこの体勢が好きだ。誰よりも何よりもなまえの近くにあれるから。
「あっ、やあっ、んっ、あっ」
「ふ…はあ、なまえ、なまえ…」
首筋を吸い痕をつけ、そのまま喉を舐めあげる。ぶるりと震える彼女の身体を、さらに激しく突き上げた。好きだ、好きだ、好きだ…このまま溶け合ってしまいたい。
絶頂を迎えたなまえが俺をきつく締め上げ、俺も彼女の中に全てをぶちまけた。離すまいと彼女の腰を強く引き寄せる。俺にしがみついていた彼女の身体が大きく反るのは物寂しいが、なまえの膣は脈打つそれをくわえて離さない。それになぜだかひどく安堵を覚えた。
「はあっ、国広くん、国広くん、すき、すき、だいすき…」
荒い息をする俺に、なまえは繋がったまま頭のてっぺんから胸元まで優しく口づけを降らせた。彼女が好きだという言葉を口にするたび心はひどく波打った。うれしい、俺もあんたが、
「好きだ、なまえ…」
「国広くん…?泣いてるの?」
頭がうまく働かないのはこの行為のせいだと思っていたが、どうやら俺は泣いていたらしい。なまえが俺の顔を丁寧に拭き取った。ぎゅう、と汗ばんだ身体で抱きしめあう。このまま、どうかこのまま。