彼女は背が低くて、ガリじゃないけどどっちかというと細っこくて、まあ胸もそれに準じたものになるんだろうな、僕はそう勝手に一人早合点していた。それがどうだろう蓋を開けたらすごいものを見てしまった、気がする。結構、あるし。べつに貧乳がいいとか巨乳がいいとかそういう下世話な趣味僕にはない。でも心の準備というものがある。情けない話だけど。僕だって初めてなのだ。高一なんだし、普通でしょ。とはいえ絶対悟られたくない。涼しい顔を崩すわけにはいかない。 「蛍くん、どしたの?」 「……あのさ」 「な、なに?」 「胸、サイズどれくらいなの」 「え?!それ聞くの?!」 服を半分剥いだところでこんなことを聞くなんて僕も相当下世話だ、みっともない。初めて見る彼女の身体を前にしてかなり緊張していることは認めざるを得ない。眼鏡のブリッジを上げて平静を装ったところで、視界の端に五本の指を立てた彼女の手。 「…なに?」 「だから、アルファベットの五番目…」 「………」 ええと、エー、ビー…途中で指を折るのをやめた。思わずすごいねと言ってしまった。穴があったら入りたかった。
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