豊臣の城に幽閉されてから数日後。

私は力強い味方に出会えた。

「こじゅさん‥?!!」

「その声、霧姫か?」

竹中が『君に紹介したい人がいる』と連れて来られた牢屋には奥州の竜の右目‥片倉小十郎がいた。

驚きと同時に安心感が胸に広がった

竹中は何故かこじゅさんと同じ牢屋に私を入れ立ち去った。

「鬼の姫とも呼ばれるてめぇがここに囚われるとはな‥
何があった?」

「それは竜の右目様も同じでしょう?
政宗殿から連絡がありました。詳しい話、聞かせていただけますね?」


それから簡単に自分の置かれている状況。
知っている限りの被害と軍の現状を報告した。

「‥…政宗様は生きてらっしゃるのだな?」

「私が知っている限りでは、ですけど。
長曾我部と伊達は同盟国‥どちらかに何か被害があれば一番に情報は届くはずです」

「そうか‥…」

自分の主が無事と知ってホッとしたのか、こじゅさんの頬が緩んだ。
私も元親のことは気になるが今は確かめようがない。

「こじゅさん。一つだけ納得できないことがあります。聞いていただけますか?」

「あぁ。俺も納得いかねぇことがいくつかある」

私が納得できないこと、それは‥…

「策略家は二人もいらないってことかな、霧姫」


私の考えが読まれていたことに驚いて振り向くと、そこには竹中の姿が。

「時間切れみたいですね‥」

「有意義な時間が過ごせたみたいだね。
君たちが必要な理由は各々時がくれば教えるよ。
竜の右目と鬼の姫。」

薄く光が指す中微笑む竹中の姿は、今の私にはとても不気味に思えたのだった。

→VS長曾我部軍‥?弐に続く


 

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