七
目が覚めると薄暗い牢屋の中だった。
驚いて体を動かそうとすると鎖で足が繋がれていて動けない。
その音に気づいたのか、私に声がかけられた。
「起きたかい?」
「竹中殿‥?それにここは‥?」
「ここは大阪城の地下牢さ。
残念だったよ、君は賢いから素直に応じてくれると思ったのに。
結果的に長曾我部を潰すことになってしまった」
「潰した‥…?」
そう言われた途端目の前が真っ暗になった。
私が気絶した後、元親は長曾我部は豊臣に味方しないと公言したらしい。
そして豊臣秀吉自ら兵を率いて制圧した、と。
「君にはまだ仕事がある。
元親くんへの忠誠を秀吉に尽くしてくれたまえ」
それだけを言い残し、竹中は姿を消した。
「元親‥」
誰もいなくなった牢屋で一人ここから脱出する方法を考える。
元親から貰って首飾りと耳飾りが窓から入る月光に反射して淡く輝いていた。