3 隣人さん
私は目を覚ますと白い着物を着て誰かを待っていた。まだかな、まだ、来ないかな。
「待たせたな」
「あ、来た」
「これからもそばにいてくれ」
「はい」
ハッ!と夢から覚めた。…なんの夢…?誰かとそばにいる約束をした…。白い着物を着ていた。なんだろう…何かに似てる…。うーんと考えても話にならないのでとりあえず朝ごはんを食べることにした。
「いただきます」
ご飯と味噌汁と目玉焼きで食べる。今日は休みだから部屋の掃除をしようと決意をした。一人暮らしだから平日は軽くしかできないから、土日にやることが多い。
ちゃっちゃとご飯を食べて掃除に洗濯、気になる所をやった。
掃除をしている最中、ピンポーンとチャイムが鳴った。誰だろう…。
「はーい」
「こんにちわ」
「…こ、こんにちわ…」
「隣に引っ越してきた土方です。色々ご迷惑をおかけするかもしれないですが、よろしくお願いします」
「ひじかた、さん…」
土方と呼ばれた男は黒い髪に少し申し訳なさそうな顔をして私に挨拶をした。
「あ、そうだ、これよかったら」
そう言って彼からお菓子…のような箱をもらった。
「わ…すみません」
「では、これからよろしくお願いします」
「はい、わかりました。よろしくお願いします、土方さん」
土方さんはペコ、とお辞儀をして隣の部屋に帰った。なんかかっこいい人だっなぁ…。お菓子…のような、洗剤が入ってると思われる箱を開けるとマヨネーズが入っていた。…マヨネーズ…。
「不思議な人だ…」
一方、土方は名前の隣の部屋の玄関のドアを閉めた。
「…ふぅ…」
「土方さんご苦労様でェ」
「総悟…人の姿を保つのは疲れる」
ポン、と人間の姿から黒い翼が生え、頭には鴉天狗の仮面がかけられている姿に変貌する。懐からキセルを出し、空気を吐く。
「ふー…あの女、今は普通だな」
「まぁ、でも奴も動くでしょう」
「多分…もうすぐな。ところで総悟」
「へい」
「お前も少しは手伝えクソが」
「お前がクソだ」
何もない部屋でワイワイ騒ぐ土方と沖田。その姿を水面の写し鏡で手をかざして見ていた男が1人。
「…銀時、お前本当にやる気か?」
「うるせぇな」
「お前に惚れられる女も可哀想だな」
「…俺は、幸せにする。絶対に」
「そうかよ。ご自由に」
彼は銀髪の狐を一瞥すると、そう言葉を吐き水中に沈んでいった。
その姿を見ていた尾が9本ある、九尾の狐の銀時はその池を背に神社に戻る。
「絶対に、嫁にもらう」
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