ご飯は大切ですね!食べなきゃやってられません!





「ん、んぁあ?アレ…いま何時…9時…」

ん?すんすん、と鼻を効かす、それは犬の如く。しかしいつも香るいい匂いがどこからも漂わない。
あれ?名前まだ来てねーの?あれ?いつもは7時とか8時にはぜってーくるのに…

ガラリとふすまを開けると新八と神楽が卵かけご飯を食べていた。あれ…あれ、いつもとなんか違う?

「あ、銀さんおはようございます」

「お、おう、おはよーさん」

「むはぁあ…卵かけご飯おいしアルー!ふぅ、ご飯ご飯」

「……俺も飯食うわ…」

「神楽ちゃんお味噌汁は?」

「んん!んぐぐ!んむ!」

いつもと同じなのになんか違う…あれ、飯いつも通りだよな?あれ…うーん…なんだ? この違和感…

「今日は名前さんがいないからお味噌汁もなんか一味足りないんだよねー」

……………?
………………!

「それだ!」

「「なにが」」






ってここに来ちまったけど…

ドドーンと構えるのは武装警察真選組という門構え。なんか嫌いになる。このいかつい感じとギチッと固い感じだ嫌だ。

「あれ、旦那じゃないっすか」

「お、ジミーくん」

「いや山崎退ですって…」

彼はバトミントンをしていたのかラケットを持ってこっちに来た

「なぁ、その…えーと」

「あ、名前さんですか?」

「おぉおおお!?そ!そんなんじゃねーよ!?」

「は?いや、名前さん今日風邪引いてここにはいませんけど」

風邪引いて…?は?風邪?あのストーカーが?

「ふ、ふーん、そうなんだーへー。あ、あんなやつ風邪引くの?馬鹿とストーカーは風邪引かないって言うけどさァ」

「おい山崎ィ」

「おおおおお沖田隊長!!」

「ゲ、総一郎くん」

「総悟です旦那。なんですかィ?名前さんですか?あのバカ夜通し隊士達のほつれた隊服縫ってたら風邪引いたらしいですぜ」

「…ふーん…」

そーなんだ。俺達のはやってくれねーのに。へー…こいつらのはやるんだな

「今から名前さんの家行きやすけど、旦那も行きやすか?」

「ま、まぁいってやってもいいけど!飯の準備くらいやってやってもいいけどォ?」

「んじゃ山崎、近藤さんによろしく言っといて、土方さんは先行ってるからって。」





きもちいい…冷たい…

「う…あ、ひじかたさん…」

「お前風邪引いたって聞いて俺飛んできたけど…これはねーだろ…」

土方さんの目が多量に畳まれた真選組隊服に向いた。私はすこしほつれた所を直すと言って持ち帰ってきたのだが、こたつでチクチクと縫っていてそのまま寝てしまったら風邪を引いたのだ。なんとも馬鹿だ。

「あはは…すいません…」

鼻声で土方さんに謝る。

「苗字、ぽかり飲むか?それともマヨ雑炊か?」

「ぽかりでお願いします。マヨ雑炊食べたら胃が死にます」

「…マヨネーズの栄養分とか色々わかって言ってんだろうな」

ガサガサとスーパーの袋からぽかりすぇっとを出して私に渡す。私はすこし起き上がり飲もうとする、土方さんがさり気なく背中を支え起き上がられせくれる。そんな所がモテるんだろうな、と思った。

「…ありがとございます…、わかってますよぅ。油ギトギトの調味料、でしょ?」

「ばっかお前は…」

そんな話をしてるとき、ピンポーンと部屋のインターフォンが鳴った。

「あっ…」

「あー、いい、俺が出る。……うぇ、総悟と…万事屋!?」

「えっ!?」

ちょ、銀ちゃん!?え、えええっ






すこしボロいアパートの二階。そこに名前は住んでるらしい。

「ぴんぽーん」

と沖田くんは口で言いながらインターフォンを押した。

「…なんだ…」

「これお粥と土産ですぜィ」

「は?」

「ほら、コレ」

コレ、と。俺を指差した沖田くん

「は!?」

「名前さぁーん、旦那来やしたよーかわいい下着つけてくださいねー」

「ちょ、おまっ、総悟!」

ドタドタとすすむ沖田くん。いいのか?と思いつつ進む。狭いアパート。しかし玄関も靴箱も靴箱の上の置物も台所も名前っぽい雰囲気があって驚く

少し進むとベッドがあった。

「名前…?」

もふっと顔を見せないように布団を被ってる名前を見つけた

「あーあー土方さんがいじめたからァ」

「うるせェ!おま、ちょ布団から顔出せ、な?」

二人が名前に向かって喋っている

「や、やです!ぎ、銀ちゃんがいるから!こんな髪ボサボサだし!メイクしてないし!だめです!」

布団から言う名前
僅かに手が見えるが心なしか赤く見えた

「つか土方さん空気読んでくだせェ。ほら行きやすよ。」

「は!?ちょ、おまっ苗字のこと心配じゃねーのかよ!」

「旦那がいるからへーきでしょ、じゃ名前さんまたー」

ズルズル引きずりながら二人は出ていった。ほんとに嵐みてーだな、と思いつつこいつに声をかけた

「あ、あの…銀ちゃん…」

「んぁ?」

「その、私へーきだから…も、帰っていいよ…?」

へ…?

「ご、ごめんね!沖田くんが無理矢理連れてきたんでしょっ、部屋汚いし…風邪!風邪ひいちゃうよ!」

もこもこと布団の中から声が聞こえる。すこさかすれていた。
こいつのまわりのテーブルを見ると粥なんぞなくて。ぽかりすえっとしかなかった。

「じゃあアレだ、粥作ってから帰るから」

「えっ!」

バサッと布団を剥いで俺を見た名前。髪は乱れていて気怠けな感じだ。いつものあのウザイ感じではなかった。

「ぎ、銀ちゃんの手料理!?」

「お、おう」

「銀ちゃんの手料理で前食べたチャーハンと、作ってくれるお粥食べれるなんて、幸せだぁ…」

「…………」

なんだろ、今までいい雰囲気だったのにすごく嫌な予感がする

「銀ちゃんの手料理…ぐふふ…」




\風邪をひいてもストーカーは元気/







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