本日は晴天なり、本日は晴天なり!
洗濯を干しながら名前はそう心の中でおもった午前5時





「それにしても、真選組の洗濯物は量が多いなぁ…」

いつも(勝手に)万事屋の洗濯物をしてる名前はその量の多さに驚いた。万事屋のはせいぜい2人ぐらい、それに比べ真選組のは倍どころが3倍、4倍だ。当然その分人が多い為当たり前だ。

「…これ沖田くんのじゃないかな…?」

ベストとジャケットを広げてみた。他の隊士とほんのすこし、小さめだ。沖田くん身体大きそうなのに土方さんに比べれば小さいのか…、と思った。

「ここほつれてる…スカーフも少し…」

あとで直そうと決め、他にも切れてるところないかなと隊服を外内と見て沖田の隊服を探っている。

「何してんでィ」

「うわ!…てなんだ、沖田くん…びっくりさせないでよ…」

「俺の隊服まじまじと見て」

「あ、この隊服ねここ、ほら角っちょね?ほつれてるからあとで直していいかな?あとスカーフも。」

「…それは、いいですけど…」

「よかったー、お裁縫楽しいから嬉しいなぁ」

「…名前さんは、旦那のところでもそうやってるんで?」

「うん、でも秘密ね」

名前は縁側に座り懐から小さなピンセットを出した。器用に黒い糸を針穴に通してチクチクとほんの少し縫っている。沖田も名前の隣に座りその作業を見ている。

「銀ちゃんの着物もよくほつれててね、神楽ちゃんも遊んでくるから少し穴が開いたりしてて、それをすこし縫ってるんだ。でも秘密だからね、そんなこと知ったら"ストーカーの縫った着物なんか着れるか"って言いそうだし」

ちくちく、ぷちん。そしてまたちくちく。それは器用なものだった。

「…そうですかねィ」

「ん?」

「…俺は、嬉しいですけどね。名前さんがわざわざ縫ってくれて」

「…ありがとう、沖田くん」

「…みたらし団子早く作りなせェ」

ぷいっと名前から顔を逸らした沖田。まだ朝早いのにわざわざ起きて見に来てくれて。

「はいはい、じゃあ早起きした沖田くん、お団子作り手伝ってください」

「なんで俺が…」

「だって食べたいんでしょ?私朝ごはん作らなきゃいけないし、手伝ってよー」

「…はいはい、」

ぷちんと糸を切った午前6時



一方万事屋では3人でいつもより早めのご飯を食べていた。献立は白米に焼き魚に味噌汁だ。ご飯を食べた後依頼が入っている

「んー!美味しいネ」

「そうだなァ」

「………」

銀時の魂が籠もってない声を聞くや否や新八と神楽はコソコソと話し合いを始めていた

「(ねぇねぇ神楽ちゃん、銀さんおかしくない?)」

「(ご飯にお茶かけたり、味噌汁に醤油かけたりしてるネ…)」

「(なんでかな…)」

「(やっぱり名前ネ)」

またしても2人はちらっと銀時を見た。銀時は焼き魚を味噌汁にどばどばいてれいる。

「(何これエエエエエッどうすればいいの!?)」

「(はぁあ…しょうがないアルなぁ…)

ごちそうさまヨー!銀ちゃん、銀ちゃんは今日仕事来なくていいヨ」

神楽がズバッと銀時に向かって言った。

「は?」

「依頼は近所のばーさんの家の草むしりネ。銀ちゃんいなくても大丈夫アル。今日の夜ご飯は名前が作ったご飯が食べたいアル。だから真選組から名前を返してもらってくることが銀ちゃんの仕事ネ」

「え、は?」

「じゃあ行ってくるネ、いくヨ定春ー」

「ま、まってよ神楽ちゃん!えと、銀さん行ってきます!」

「ワンっ!」

「お前ら!」

ガラガラ ぴしゃん!と閉まった万事屋の扉。銀時はあ然と扉を見ていた。

「…まじかよ…」

そんな騒動があった午前6時45分


「ごちそーさまでしたっ!名前ちゃんっ」

「はぁいっお粗末さまです」

ご飯を作り食べ終わった隊士さん達が私に言う。美味しかったとか言われるとかなりうれしい。だからもっと料理の勉強しようと思ってしまう。
そんなわたしはパパっと朝ごはんを食べた後お団子を作っている。もちろん、沖田くんも同じく

「明日の朝はなにがいいかなぁ…」

「もう明日の朝の話ですかィ」

くるくるとしらたまを丸めて串に刺す。うん、バッチリ!

「だって美味しいって言われると、じゃあ次はもっと美味しいの作らなきゃって思っちゃうんだもん」

「…単純…」

「なんだとこらぁ!」

くるくるとお団子を丸めて串に刺す。フライパンを用意したくさん敷き詰める。もちろんフライパンはフッ素加工なのでくっつかない代物。

「あ、沖田くん沖田くん」

「なんですかィ」

「沖田くんはみたらし?あずきとかお醤油とかほしい?」

「…いります…」

「じゃあ沖田くんには出来上がったお団子にお醤油塗ってくださいー」

「へーい」

丸め終わったお団子を焼き二人であずきやらお醤油、みたらしなど塗る。
甘味…そういえば銀ちゃん大丈夫かな。元気かな、朝ごはん食べたかな、起きられたかな…

「名前さん…?」

沖田くんがお皿に盛ったお団子を手に持ち私をのぞき込んでた

「あ、ご、ごめんね、ぼーとしてた」

「……」

「お団子見ると甘味だから…銀ちゃん見たくなっちゃった」

私はコソコソと包み紙を持ちみたらし、お醤油、あずきと包を分けたのを3つ包んだ

「私、やっぱり万事屋行きたいからお団子持っていくね。」

「…やっぱり、名前さんは旦那の事が…」

「ん?なぁに?」

「いや、なんでも」

「あとはお団子にみたらしのタレとあずきのせて…」

私はとろとろーとみたらしのタレとあずきをたっぷりのせた。自分で言うのもアレだがかなり美味しそうだ

「みなさーん!お団子できましたよー!」

食堂ですこしやすんでる隊士さん達に言った。隊士さんたちは目を光らせドドドドとこっちに来た。いつも思うけどこわい…

「名前ちゃんの甘味…!」
「団子なんて久々だ!」
「うめぇええ…」

「よかったぁ…沖田くんどう?」

「…まぁまぁ」

「ふふ、よかった。味はしょっぱい?」

みたらし団子をもぐもぐ食している沖田くんに聞いた。頭を横に振る沖田くん。よかったな、と一安心

「…よし、じゃあ私行きますね」

「え、なにもう帰っちまうの?」

原田さんが私に聞いてきた。私はコクリ、と頷き自分の荷物を持って答えた

「わたし、やっぱり万事屋に行きたくて…お仕事あると思うし、お団子は置き手紙置いてそのまま帰ろうかなって」

「…そっか。名前ちゃんは旦那のことが好きなんだね」

「うんっ大好きっ」

原田さんに頭をぽんぽんと撫でられ原田さんが沖田くんに、玄関まで送ってけ、と言っていた。正直真選組屯所は広く迷うので私からもお願いした。


「団子、美味かった」

帰り際沖田くんが私に言った。すこしそっぽ向くのが彼の癖だ

「じゃあ今度は沢山たっくさん作って沖田くんにだけあげるね。みんなには内緒だよ?」

「…そんな俺子供っぽくねェ…」

「はいはい。じゃあまたね、明日またくるね!」

私は沖田くんに手を振り屯所の門をでた。そしたら、

「あ…」

「あっ!」

ヘルメット姿の目の前には銀ちゃんがいた。

「銀ちゃんっ!おはよ、どうしたの?真選組に用があるの?」

「お、おー、ま、まぁな。」

「そっか、沖田くん居るよ、呼ぶ?」

「いやいや、いいって!」

「?…あ!お団子!どうぞっ」

「団子?」

私は3つの紙に包まれたお団子を渡した。ほんのりと温かい

「さっきね隊士さん達にもおやつとして作ったんだ、それでねお団子みてると甘味だから銀ちゃん思い出しちゃってね、それで万事屋持っていこうかなって思って。よかったぁー手渡しできたー」

「お、そ、そっか」

…あれ?いつもなら、うざいお前の作ったものなんて神楽と新八だけに食わずわ、とか言われるのに。

「…銀ちゃん、食べてくれるの?」

「お、おう。」

…ピシャァアアンンと私は雷に打たれた。なんか今日変…?
ま、まさか…!

「こ、ここここれはドッキリだアアアッ!」


\…残念な子なんです/

(あ、あのさ…万事屋で夕飯作ってくんね?)
(こ、これもドッキリ…!?)







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