デザートはあなた
とある万事屋さんの昼下がり
私と銀ちゃんの二人きりだ。ゆったりとした時間が流れる。幸せだなぁと感じる
しかし人は不思議なものであんなにお腹いっぱいお昼ご飯を食べたのにもかかわらずデザートというものを食べたくなるから人は贅沢だなぁと思う。
お昼はラーメンとチャーハンだった。私はラーメンとほんの少しのチャーハンを食べたが身体が少し熱くひんやりとしたものが食べたくなった。
あのお饅頭屋さんの水饅頭美味しいよなぁとかところてん美味しいよなぁとか考えていた。
「はぁ…ぷるぷるのデザート食べたいなあ…」
「あー、食いてぇなァ…」
銀ちゃんもそうらしい。私と同じようにガッツリ食べたのにもかかわらずデザートを欲する。
「やっぱりあのお饅頭屋さんの水饅頭?」
「あー…いいなぁ…俺こしあんがいい」
「ええー普通つぶでしょー」
「饅頭は基本こしあんだな」
「あと、アレもいいなーところてんっ!」
「ところてんかー…いいなァ…」
「私ところてんは黒蜜で食べたい」
「え、なにそれ美味しいの?」
「うん!美味しいよー。遊女さんが食べてるとか食べてないとか」
「え、まじか。食いてぇ…」
二人で甘味の話をしてたら食べたくなってきた。しかし万事屋には水饅頭もところてんも何も無く、あるのは銀ちゃんが口をつけて飲んだいちご牛乳ぐらいだ。
「食べたいよー銀ちゃん買ってきてよー」
「名前が買ってこいよー…ぷるぷるの…」
「…ん?どうしたの?」
てこてこと社長椅子に座ってた銀ちゃんが私の方へ来た。そして隣にドサッと座った。
「どうしたの?」
「ぷるぷるのやつだよな?」
「うん、プリンとかゼリーもいいなぁー」
「あるじゃん、ぷるぷるのやつ」
「えっほんと?食べたいよー!」
「こーこ、」
銀ちゃんは私の胸元へ顔を埋めた。それもご丁寧に襟元を緩めて谷間へ顔を埋めた
「………」
「あだっ」
「ばかじゃないっ、もう…」
「えっへへ、」
そんな昼下がり、男女の笑い声が響いた
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