ハッピーホワイトデー!



本日はホワイトデー。前回チョコレートを用意できなかった私だが今回は違う!ちゃんも用意しました。私は用意した紙袋の中身を見てニコニコしながら万事屋へ向かう。
そういえばバレンタインの時の銀さんから渡されたキャンディーは、なんでキャンディーなんだろうと思いスマホで意味を調べたら「あなたのことが好き」「あなたと長く一緒にいたい」とか…。
……銀さんがそんなことを考えて贈るわけないか!なんて考えていたが、素直に嬉しかった。

私が用意したもの、喜んでくれるかな…。








「こんにちわー!」

「おー名前か」

万事屋の玄関を開けて挨拶するとリビングの方から銀さんの声が帰ってきた。その声になんかホッとする自分がいる。
玄関を見ると銀さんのブーツしかないことがわかり、ここには今銀さんしかいないのかと思うとホッとなんかじゃなくてドキドキに変換してしまう。

「お、お邪魔しまーす…」

廊下を抜けてリビングに着くと銀さんは鼻をほじりながら結野アナが出るニュースを見ていた、いや結野アナが出てるから見ているのか。

「どうしたー?」

「えっと…はいこれ」

とん、と机に紙袋を置くとすぐさまその紙袋を見る銀さん。私は銀さんの向かい側の席に座りどうぞ、と言って紙袋を銀さんの方へ一歩奥に差し出した。

「え、なにこれ。うわ!すげぇ!」

「…今日、ホワイトデー、だから…」

「ホワイトデー?あぁ、バレンタインであげたものを男達に高級ブランド品に変換するあの日か」

「いやどんな偏見?…この前のバレンタインデーは、その…私の準備不足で渡せなくて、結局銀さんから貰っちゃったから、だからお返し」

「あんな飴のお菓子にこれかよ、わらしべ長者じゃねェか」

銀さんが紙袋から出すのは、マドレーヌとバームクーヘンのセットのお菓子だ。しかもなかなかに大きい箱に入っている。

「そんなに飴が嬉しかった?」

「うん、すっごく」

「…………そ、か」

「銀さんも、嬉しい?」

「おうよ、こんなに甘いモン食えるの最高じゃねェか」

箱を開けてバームクーヘンとマドレーヌを開けて食べる銀さん。量が多いのが嬉しいのか箱の中身をじっと見ている。蓋が邪魔でこちらからは中身が見えないが、食べる量を考えているのだろうと思った。
もっさもっさと幸せそうな顔をしながら食べてきてあげたこちらも幸せになる。

「台所お借りしてお茶入れる?」

「いや、俺が入れるわ」

「そう?じゃあ待ってるね」

私は浮いた腰をソファーに戻して銀さんを見る。マドレーヌを1つペロリと食べた銀さんはバームクーヘンに目を奪われながら腰を上げてお茶を入れに席を立つ。
やっぱりお菓子の意味なんか関係なく相手が好きそうなものをあげるのが1番なのかもなぁと考えた。残ったら神楽ちゃんと新八くんにもあげてねって言わなきゃ銀さん全部食べちゃいそうな勢いだ。

「ん、茶な」

「ありがとう」

「なぁ、あのさ」

「ん?」

「…ありがと、よ」

「……うん、どういたしまして!」

銀さんは私の頭をぽんぽんと撫でると再びソファーに戻りバームクーヘンをもぐもぐ食べる。

「あ、ちゃんと神楽ちゃんと新八くんにも分けて置いてね」

「えーマジかよ。俺のためじゃねェの?」

「この量1人で食べたら銀さんマジでやばいって」

「ええー」

そんな会話をする銀時と目線はバームクーヘンとマドレーヌが入った箱に移る。
その箱には小さな紙が入っており、こう書いてあった。

[・マドレーヌ:もっと仲良くなりたい
・バームクーヘン:幸せがいつまでも続きますように、の意味があります。]


「銀さん?どうしたの?」

「…いんや、なんでもねェ」

微笑みながらお菓子を食べる銀時は、ホワイトデーもいいなと思うのであった。









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